ベネズエラ、「イランのタンカーへの米国の脅迫は、貿易と航海の自由の侵害」
ベネズエラの国連大使は、アメリカによるイラン産ガソリンを積載するタンカーへの脅迫行為は、貿易と航行の自由への侵害であるとしました。
ファールス通信によりますと、ベネズエラのサミュエル・モンカダ国連大使は20日水曜、ベネズエラに向けて航行中のイラン産のガソリンを積載した5隻のイラン籍タンカーに対する米国の脅しを非難し、「イランのガソリンタンカーに対し軍事力を行使するという米国の脅迫は、貿易と航行の自由に違反するものである」と述べました。
同じくパドリーノ国防相も20日、イランのガソリンを積載するタンカーを脅迫する米国の行動を非難し、「イランのタンカーが同国の経済水域に入域した時点で、ベネズエラ軍がイランのタンカーに同行し、護衛する」と発表しました。
ロシアの国連副大使であるドミトリーポリアンスキー氏も、イランのタンカーの航路上に自国の艦船を配備したことについて米国に警告しました。
ローズマリー・ディカルロ国連政治問題事務次長は、ベネズエラでの石油制裁と燃料不足が、新型コロナウイルスをコントロールする上での同国政府の取り組みの支障になっているとしています。
今月14日、匿名を条件にある米国政府高官はロイター通信に対し、「米政府は現在、イランのガソリンのベネズエラへの輸送に対応するため、適切な措置を検討している」と語っています。
イランのガソリンタンカーを脅迫するという米国の措置は、イラン当局からの反発にも遭遇しています。
イランのザリーフ外相は、17日にグテーレス国連事務総長に書簡を送り、米国の違法で危険で挑発的な脅迫は一種の海賊行為であり、国際的な平和と安全保障に対する大きな脅威だとし、「米国は、国際舞台での専断的な振る舞いを止め、特に公海での船舶の航行の自由を初めとした、国際法の支配を尊重すべきだ」としました。
さらに、あらゆる違法行為に対する米政府の責任を指摘し、「イランはこうした脅迫への対抗に必要かつ適切な措置を講じる権利がある」と強調しました。
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