ロシア外相、「米は安保理での対イラン制裁復活に失敗する」
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ラブロフ外相
ラブロフ・ロシア外相が、「アメリカは、核合意に定められた、対イラン制裁の復活につながりうる紛争解決メカニズム(別名スナップバック)の適用を決定したが、これは非難されるべきもので違法だ」と語りました。
ロシアのアラビア語チャンネル・ロシアアルヨウムによりますと、ラブロフ外相は「アメリカは、対イラン制裁復活のための法的な手段を一切有しておらず、これに成功することはないだろう」と述べています。
これに基づき、ラブロフ外相はさらに、「対イラン制裁の再発動を狙ったアメリカの工作は、安保理内での亀裂や大規模な不祥事につながりかねない」としました。
そして、「安保理理事国の大方の意見は、対イラン制裁の再発動というアプローチが建設的ではなく誤ったものだ、ということで一致している」と語っています。
ポンペオ米国務長官は米ニューヨーク現地時間の20日木曜、国連安保理議長に宛てた書簡の中で、核合意違反を理由にイランを非難するとともに、対イラン国連制裁の再発動を正式に要請しました。
国連安全保障理事会の13の理事国は、イランに対し紛争解決メカニズムを発動しようする米国の決定に反対を表明しました。
ロイター通信は、安保理の13の理事国が書簡を送付し、米国は2018年にイラン核合意を離脱しており、核合意の紛争解決メカニズムを発動したくとも、もはや核合意の一員ではないことを強調した、と報じました。
これら理事国は、米国には安保理決議第2231号に基づくイランへの国連制裁を再発動させる権利はないと指摘しています。
紛争解決メカニズムを適用しようとの米国の試みに反対しなかったのは、ドミニカ共和国のみでした。
米国は2年前、安保理決議第2231号を無視して違法に核合意を正式離脱したにもかかわらず、この合意の内容に基づき、依然として米が核合意の当事国であり、それにより核合意の中に示された紛争解決メカニズムといった解決策を対イラン安保理制裁復活のために行使する権利があると主張しています。
この主張は安全保障理事国、特にロシアと中国からの明白な反発を受けました。
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