欧州の大洪水、気候変動により確率最大9倍上昇と研究結果
ドイツなど西欧に先月、大規模な洪水をもたらした豪雨は、気候変動の影響で確率が1.2~9倍に上昇した結果起きたとする研究結果が報告されました。
米CNNによりますと、気候変動の影響を分析する国際プロジェクト「WWA世界気象アトリビューション」の科学者ら39人が、先月12~15日に220人以上の死者を出した水害について調べた結果、大規模な集中豪雨は400年に1度の現象だったこと、また、1日の雨量は気候変動のために3~19%増加していたことも明らかになりました。
英オックスフォード大学環境変動研究所のフリードリク・オットー副所長は「先進国も異常気象の影響を免れないことが、この洪水で分かった」と指摘しています。
オランダ・トゥウェンテ大学のマールテン・ファンアールスト博士によると、400年に1度というのは対象地域での頻度であり、世界のほかの地域で今後400年、同じようなことが起きないという意味ではないということで、気候変動は年々進んでいるため、異常気象のリスクも年ごとに増大すると予想されます。
研究者らはドイツやベルギーの川沿いのほかにフランスやオランダ、ルクセンブルク、スイスの状況も考慮し、コンピューター・シミュレーションを使って、産業革命前の1800年代後半と、当時より気温が1.2度上昇した現在を比較しました。これに基づき、気温が産業革命前より2度上昇した場合は、豪雨発生の確率がさらに1.2~1.4倍に上昇し、1日の雨量がさらに0.8~6%増加すると予想しています。
ファンアールスト博士は「私たちにできるのは、リスクがますます手に負えなくなる事態を防ぐために温室効果ガスの増加を止めること、その一方でさらなる異常気象に備えることだ」と語りました。
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