ウクライナからの避難民が急増、欧州で世紀の危機
ロシアとウクライナの間で緊張が続いていることを受け、ウクライナからの避難民が急増し、欧州における世紀の危機となっています。
フランス通信によりますと、UNHCR国連難民高等弁務官事務所のフィリッポ・グランディ高等弁務官は2日水曜、ウクライナからの避難民が1日時点で83万6000人に達したことを明らかにしました。
この報道によれば、これまでの避難民数は67万7000人で、今回の統計でさらに約16万人増加したことになります。
グランディ高等弁務官は、スイス・ジュネーヴにおける安保理オンライン会合で、「ウクライナからの避難民は、確実に1912-13年のバルカン戦争以降で最多の欧州内の移民となる」と強調しました。
国連も、これまでにウクライナ国内で100万人が難民状態になっていると推計しています。
英ガーディアン紙も、これに以前にグランディ高等弁務官の発言を引用して、「最終的にウクライナの400万人以上が、近隣諸国で支援や助けを必要とする可能性がある」と伝えています。この記事によれば、ウクライナからの避難民の半分以上はポーランドに向かったということです。
ウクライナ避難民数の増加は、ほどなく100万人になろうとしています。ロイター通信は先日、「東欧諸国は、ロシア・ウクライナ間の緊張が増加した場合に逃げてくる可能性のあるウクライナ人数万人のために、備えている最中だ」と報じていました。
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ東部ドンバス地方で同国からの独立を宣言したドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の関係者らが協力合意文書に基づき派兵を求めたことを受け、先月24日にロシア国営テレビで演説を行い、同地方での特殊軍事作戦の開始について明らかにしました。
ロシアは、ウクライナ東部におけるロシア系住民の支援と、上記の二つの人民共和国の独立承認により、この数日の間に、アメリカとその同盟諸国から厳しい複数の制裁を課されました。