米テキサス州で、数百人が銃乱射に抗議
アメリカ南部・テキサス州のヒューストンで開催された、銃の規制に反対する有力なロビー団体「全米ライフル協会」の年次総会の会場の外で、数百人が抗議し、銃規制の強化を訴えました。
小学校で児童19人を含む21人が銃撃されて死亡する事件が起きたテキサス州ヒューストンで27日金曜、銃の規制に反対する有力なロビー団体「全米ライフル協会」の年次総会が始まりました。
しかし会場の外では総会の開催に抗議する数百人規模の集会が開かれ、事件で亡くなった子どもたちの写真とともに「銃ではなく子どもを守れ」、「何人の子どもが命を落とせば銃は規制されるのか」などと書かれたプラカードを掲げて、抗議の声を上げ、銃規制の強化を訴えました。
この集会では、4年前に南部フロリダ州で起きた銃撃事件で息子を亡くした女性が演説し「これ以上、子どもたちが銃によって命を失うことがないよう、闘い続けなければならない」と訴えました。
地元ヒューストンから参加した男性は、「銃規制に反対するロビー団体が年次総会を決行したのは、この街に対する侮辱だ」と怒りをあらわにしていました。
また別の男性は、「今すぐ法律を変えて銃規制を強化し、子どもたちを守るべきだ」と語っています。
一方、「全米ライフル協会」のメンバーが抗議集会の参加者と言い争いになる場面も見られました。
この総会の会場では複数のミュージシャンが演奏する予定でしたが、出演を辞退したほか、野党・共和党のアボット州知事も出席を取りやめました。
しかし、トランプ前大統領や地元選出の上院議員らは出席しました。
テキサス州では、今月24日に男が小学校に押し入って銃を乱射し、児童19人を含む21人が死亡する事件が起きたばかりで、地元の市長などは総会の中止を求めていました。
今回の銃撃事件を受けてバイデン大統領は、銃規制の強化に取り組む姿勢を強調しています。しかし去年、銃の購入者に対する審査を厳格化する法案は、ロビー団体の支援を受ける議員が多い共和党の反対で、議会の通過が危ぶまれていて、効果的な銃規制が実現するめどは立たないままです。
公式統計によりますと、米国内にはおよそ2億7000万から3億丁の銃器が出回っています。これは国民一人当たりほぼ1丁の武器を持っている計算になります。
全米各地では、武器携帯が自由であるために毎日のように銃犯罪が起こっており、その大半で死者が出ています。しかし、銃ロビー団体の力が非常に強いことから、米議会は武器所有を制限するには至っていません。