米CIA告発者、デービッド・マックマイケル氏が死去
CIA・米中央情報局の元職員で、1980年代のアメリカ政府によるニカラグアへのクーデター計画を告発するため辞職した、デービッド・マックマイケル氏が亡くなりました。95歳でした。
マックマイケル氏は今年5月16日、米バージニア州フロントロイヤルにある自宅で亡くなりました。95歳でした。娘のアリシアさんが明らかにしました。
マックマイケル氏は1983年にCIAを辞職し、当時のレーガン米政権がニカラグア政府の転覆を計画していたことを示す証拠を公にしました。
米ニューヨーク・タイムズ紙によると、歴史学者だったマックマイケル氏はCIAの契約職員として働き、1980年代初頭のCIAで優れたラテンアメリカの専門家として知られます。当時、米国内ではソ連による中南米左派政権への支援について懸念や恐れが存在していました。
1981年にレーガン政権が発足してしばらくすると、マックマイケル氏は、レーガン氏が特殊部隊を結成させニカラグアに侵攻する意図があるとの証拠を入手します。
マックマイケル氏は、イランやグアテマラ、チリに対して行われたCIA支援によるクーデターが繰り返されることを恐れ、沈黙を破って1983年にCIAを辞職します。そして、自ら費用を負担して調査のためにニカラグアへ渡り、同国議会のメンバーと会談します。さらに1984年には、自らが知り得た情報をワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙に投稿します。
マックマイケル氏による告発を受け、当時のレーガン政権のシュルツ国務長官は、「マックマイケル氏は別の世界に住むべきだ」と発言しました。
1984年にニカラグアがアメリカを国際司法裁判所に提訴すると、マックマイケル氏は重要参考人として証言しました。アメリカはこの裁判への出廷を拒み続け、1991年にニカラグアが訴えを取り下げたことで裁判は終了しました。判決ではアメリカに対してニカラグアへの賠償金の支払いが命じられましたが、アメリカは履行していません。