暗殺されたコンゴ政治家の歯が遺族へ返還、ベルギーによる植民地支配の残滓
6月 21, 2022 17:19 Asia/Tokyo
ベルギー政府がブリュッセルで式典を行い、コンゴ独立運動の指導者であったパトリス・ルムンバ氏の歯を遺族に返還しました。
コンゴは1908年、正式にベルギーの植民地とされ、1960年に独立するまでその支配が続きました。
コンゴ共和国(現在のコンゴ民主共和国)の初代大統領も務めたパトリス・ルムンバ氏は、1961年にベルギーの傭兵によって暗殺されました。その遺体は、一度埋められた後に再び掘り起こされたうえで、硫酸によって溶かされており、残ったのは数本の歯と頭蓋骨の欠片のみでした。
このルムンバ氏の歯は20日月曜、ようやく遺族に返還されました。
ベルギーは2002年、ルムンバ氏の暗殺について、コンゴ民主共和国に正式に謝罪しました。
ベルギーのフィリップ国王は、先日コンゴを初めて訪れた際、自国が行った過去の植民地支配に遺憾の意を表明し、「無期限貸与」の名目で略奪された歴史遺産をコンゴ当局へ返還しました。
第2代ベルギー国王でフィリップ現国王の祖先にあたるレオポルド2世は、1865年のコンゴ征服後から1909年にかけて同地を私領として、その資産を搾取しました。
レオポルド2世国による搾取時代の最初の23年間には、同地で少なくとも1000万人のコンゴ人が殺害されたと推計されています。
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