ファジル映画祭(動画)
(last modified Wed, 15 Feb 2017 11:31:31 GMT )
2月 15, 2017 20:31 Asia/Tokyo
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第35回ファジル映画祭は、今月9日夜、各賞を発表して幕を閉じました。

今回のファジル映画祭の重要な特徴は、社会派の映画やイランの現代史に関する映画が人気を博したことにありました。

 

閉会式では、「スィーモルグ」という賞が授与されました。

 

観客が選ぶ最優秀映画賞のスィーモルグ賞に輝いたのは、「半日の出来事」という映画です。また、「善と悪、軽薄」、と、「アバジャン」という2本の映画が、観客が選ぶ優秀映画賞を受賞しました。さらに、「半日の出来事」は、国が選ぶ最優秀映画賞も受賞しました。この映画は、セイエド・マフムード・ラザヴィーの制作、モハンマド・ホセイン・マフダヴィヤーンの監督により、今回の映画祭で5つの賞を受賞しました。

 

「暑い夏」という映画は、最多の13部門にノミネートされましたが、実際に受賞したのは2つの賞のみでした。「フェラーリ―」、「署名も日付もない」、「一軒家」、「暑い夏」、「煙突の下で」、「ネガール」という映画が、それぞれ賞を受賞しています。

 

「半日の出来事」という映画は、5つの賞を受賞し、これまでの記録を破りました。

 

「半日の出来事」は、他の作品に大差をつけて、観客と国家が選ぶ最優秀映画賞に輝きました。イランの映画監督で、ファジル映画祭の審査員を務めるナルゲス・アーブヤール氏は、この映画はイランの警察・政治映画に新たな旋風を起こしたと語っています。

 

映画「半日の出来事」は、1980年代の多くの出来後が起こった夏の出来事を語った映画です。その歴史は、映画の世界から見過ごされてきましたが、35年後に映画の中でその物語が扱われました。

 

モハンマド・ホセイン・マフダヴィヤーンのこれまでの作品、「冬の終わり」や「埃の中で」、あるいはドキュメンタリー映画の「傷の間の骨」により、彼はドキュメンタリーを扱う映画監督として知られています。彼が物語の映画を制作するとは考えられていませんでした。そのため、「半日の出来事」は、衝撃を与えると共に、歴史的な出来事を扱ったドキュメンタリー映画の経験が、このような衝撃的な映画を制作する糧となったことを示しています。

 

「半日の出来事」は、1981年に起こった出来事を扱ったものです。当時、イランのバニーサドル大統領が辞任した後、イランの反体制派テロ組織、モナーフェギンが人々とイスラム体制に対抗し、路上で大規模なテロ行為を行いました。

 

この映画は、当時の出来事を詳細に語り、当時のことを知らない人々にも理解しやすい作品となっています。

 

「半日の出来事」は、イラン映画界の優れた作品の一例です。当時の人々に対するモナーフェギンのテロを扱った衝撃的な作品であり、内容の点でもドキュメンタリーに近くなっています。映像の下にそれぞれの出来事の日付が正確に述べられているのは、事実に忠実であることを示しています。

 

「半日の出来事」は、歴史映画に分類されますが、この映画で描かれている1981年のテヘランの様子は、当時の関係や雰囲気を反映したものです。

 

「半日の出来事」のもう一つの成果は、監督であるモハンマド・ホセイン・マフダヴィヤーンのドキュメンタリーからドラマへの移行です。彼の以前の作品も、ドラマチックなものでしたが、多くの人はそれをドキュメンタリーと見なしています。しかし、彼の新作は物語であり、出演している俳優陣が、それを助けています。

 

イランの女性映画監督であるモニール・ゲイディは、助監督として数多くの映画の制作に協力してきました。彼女は、「一軒家」という映画の前にも、短編映画を制作しており、さまざまな映画祭で賞を受賞してきました。

 

「一軒家」とは、イラン南部のアンディーメシュクという町で撮影されました。この映画のタイトルである一軒家とは、この町にある、戦争の司令官たちの生活場所であった家のことで、今も存在しています。この映画の脚本は、1980年代の戦争の司令官の妻たちの生活を扱っています。このようなテーマは、これまでイランの映画でほとんど扱われてきませんでした。「一軒家」には多くの俳優が出演しており、いくつかのシーンを除いて、そのほとんどの場面は、女性のみの出演となっています。

 

この映画は戦争を扱ったものですが、人間的なドラマもあり、戦争と人間性のバランスを取ることができています。「一軒家」は、イランイラク戦争の、表には見えなかった社会的な面を扱い、内面と外面の観点から、戦士の妻たちの不安、抵抗と逃亡、怒りと忍耐、誇りと高潔さを描いています。こうした視点は、これまでには見られなかったものです。

 

映画のシーンは称賛に値し、ドラマチックで多様性があり、戦士の家族のさまざまな感情や状態を伝えています。ゲイディ監督は、この映画の制作により、イランイラク戦争の時代の純粋な女性たちの姿を可能な限り輝かしく描き出しています。この映画に出てくる女性たちはそれぞれ、年齢や文化の点で異なっているものの、孤独でありながらも希望を持って生きており、それが彼女たちを結びつけています。

 

監督は、地理、史実、社会行動学、さまざまな人間の戦争に対する精神的な分析などを可能な限り活用しています。

 

社会派の映画は、映画のジャンルの中でも最も歴史が古く、多様性があり、映画監督の注目を集めているだけでなく、興行成績も高くなっています。希望を伴った警鐘を鳴らす目的で、社会的な問題を扱うことは、社会の成長を生み出すでしょう。「署名も日付もない」という映画は、人間性と道徳を広めるものです。

 

この映画の中で、監督は社会の良心を皮肉り、目覚めた良心の社会における不在が、どれほど人間としての気高い価値観を破壊することができるかという重要な問題を指摘しようとしています。この映画は、貧困、家庭の崩壊、社会的な弊害への注目を促し、社会の良心を衝突させようとしています。

 

この映画は、多くの社会的な作品とは異なり、非常に速いリズムで展開します。ナリ―マーンという法医学者が、一つの遺体を前に、その死の責任は自分にあると思いつめます。

 

この映画は悲しい映画ですが、決して感傷的なものではなく、おそらく映画の中で音楽が使われていないのも、そのためでしょう。映画「署名も日付もない」は、構造やテクニックの点で非常に標準的で、期待を超えたものです。

 

また、舞台設定や演技も素晴らしいものであり、すべてのシーンは自然に描かれています。

 

「署名も日付もない」は、社会的な映画を求める人にとって、非常に興味深い作品となっています。

 

 

 

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