イマーム・レザーと生活様式(8)
イスラムの預言者一門の生活様式や文化について知ることは、イスラムについて理解し、これを活用する最も基本的な方法の1つです。
イスラムの預言者一門に関する重要なポイントの1つとして、まずこの一門の偉人たちの人物像について知る必要がありますが、これはその認識こそが宗教の根底であることが理由です。西側のある作家は、次のように述べています。
「イスラムがこれまでの歴史においてほかの宗教と折り合ってきたことは、賞賛に値する。イスラムの目的は人種や国籍の枠を超えた全ての人々によき原則を教えることである。イスラムは、指導者たちの教えのもとに、全ての人々が共通の倫理、宗教の基準に従うような社会を打ちたてた」
今日、公正なる賢者たちは、世界がイマーム・レザーのような指導者の教えに負うところが大きく、またこうした指導者たちが自らの精神的な偉大さや倫理面での崇高さをもって、人類に完全の極致や善への道を示した、と考えています。
イマーム・レザーが生きていた当時の彼の精神面での尊厳や学識者としての人格は、イスラム世界に大きな影響を与えました。そのため、彼に反対する人々でさえも、彼を賞賛していたのです。これについて、9世紀から10世紀にかけての歴史家マスウーディー氏は次のように語っています。
「アッバース朝の第7代カリフ・マアムーンは9世紀のはじめごろ、自らの側近を全て、現在のイラン北東部ホラーサーン地方のマルヴに集め、彼らに向かってこう語りかけた。『私は、数多のイスラムの偉人の間を探し回ったが、彼らの中でイマームレザーほど美徳を備え、禁欲的で支配者に相応しい人格を有する人物を見たことはない』」
イマーム・レザーは、学術面で傑出していたにもかかわらず、様々な学派の代表者や思想家のグループと学術的な討論を行う際には、常に相手に対し敬意をもって穏やかに接し、彼らの疑問の1つ1つに答えていました。また、確固たる論拠に基づき、他人に真理の醍醐味を伝えるとともに、唯一神信仰の見解や思想の素晴らしさを提示したのです。こうした議論において、疑問という暗雲が消え去って真理が明らかになり、知識人たちはイマーム・レザーの論理に深く敬服したのでした。
イマーム・レザーは、豊富な学識を有しており、このことは全ての人々に知られていました。このため、彼はイマームたちの中でも、預言者ムハンマドの一門の学者として名声を博しています。歴史家たちは、イマーム・レザーに関する数多くの著作を挙げていますが、その1つに、アッリサーロル・ザハビーヤ(『黄金の論文』)があります。この著作は、イマーム・レザーによる医学的、科学的な価値ある表明を集めたものであり、飲食物の特徴について説明するとともに、精神衛生や健康的な生活のための方法について教示しています。イマーム・レザーは、この著作をアッバース朝の支配者マアムーンに送り、全てのイスラム教徒にこの著作の内容を実行し、試させるよう強調しました。
このほかにも、イマーム・レザーの著作として有名なものに、『フェクホッレザー』(『レザーのイスラム法学』)があります。この著作は、イスラム法学に基づく戒律に関する伝承・ハディーズの一部やイスラムの教令をテーマとしています。また、『サヒーフォッレザー』という著作には、およそ216の伝承が収められており、イマーム・レザーが自らの先祖について語るとともに、唯一神信仰や学術、礼拝、戒律、解釈、預言者とその一門の美徳や倫理などについて述べられています。
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