第23回メディア見本市
(last modified Thu, 02 Nov 2017 13:56:17 GMT )
11月 02, 2017 22:56 Asia/Tokyo
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    第23回メディア見本市

毎年、テヘランで開催されているメディア見本市は、新聞や雑誌といったメディアを評価し、人々と体制責任者の互いの関係をより強いものとするための絶好の機会となっています。

今年のメディア見本市には、940のメディアが参加しました。この時間は、メディアとは何か、そして、この見本市の様子を見ていきましょう。

第23回メディア見本市

今日、発展した社会とは、年間の収入、GNP、致死率といった経済指標とともに、教育や情報の水準、社会的な知識のレベルが重視された社会です。このような社会では、メディアは、好ましい情報の生産や分配により、一般レベルの知識の向上において重要な役割を果たしており、あらゆる分野での成長や発展を助けています。

第23回メディア見本市

メディアは、文化の発展において、人々を社会の伝統や信条と結びつけることができ、さらに、思想の躍動を促します。実際、経済、政治、文化といったすべての指標において発展を遂げるには、物質的、精神的な可能性を利用するために世論を教育し、その知識の水準を高めることが必要になります。

 

この中で、民主主義の第4の柱となるメディアは、情報伝達、教育、娯楽といった役割を果たすことにより、あらゆる分野での発展を促すため、より優れた役割を担っています。また、ある国の発展は、メディアの発展や成長を助けることにもなります。そのため、文化的な発展は、社会における好ましい要素の発見や開花に向け、必要な戦略を利用できるようなものでなければなりません。

第23回メディア見本市

明らかに、メディアの発展は、その質や出版物の数の増加だけではかることはできません。それを図るには、社会のさまざまなレベルにおけるメディアの浸透性、メッセージの内容、思想的、技術的な独創性や多様性、文化的、社会的なニーズへの対応、その他の多くの要素が関係しています。

ソーシャルネットワーク

メディアの質をはかる基準のひとつは、関係者が多様な情報源を参照しているか、そして、その内容の生産方法です。イランで行われた科学的な研究の結果、イランの新聞の政治・国際面の記事は、主に、西側の3つの通信社と国内の3つの通信社によって埋められていることが分かっています。

 

この研究は、イランイスラム文化指導省の傘下にあるメディア研究企画事務所の指示により、国内のメディアの報道や記事の執筆を評価する目的で行われました。この研究の結果は、イランの多くの通信社や新聞が、記事の執筆における原則の遵守に関して、容認される状況にあることを示しています。

 

この研究は、イスナー、ファールス、イルナーといった通信社の報道の多くが、イランのニュースサイトやメディアの政治面の多くを占めていることを示しています。これらのメディアで発表された内容の85.3%がニュースソースを持っており、記事の執筆の原則も、報道の81.6%で守られています。

 

また、新聞の93%、サイト情報の98%が、国内を情報源としています。テレビのニュースの報道については、この数字は86%です。イラン国内のメディアで情報が発表される海外のメディアのうち、ロイター通信が一番多く、9.5%を占めています。次にフランス通信が5.8%、ロシアのスプートニクが4.5%です。

通信社

イランでは、毎年、メディア、通信社、出版社見本市が開催されています。この見本市は、国内で発行・出版を行うメディアが参加し、政権の変更によって常に異なるアプローチを展開し、新たな経験を重ねてきました。

 

今年のメディア見本市は、「見識の高い社会、さらなる発展、スローガンの縮小」をテーマに、先週10月27日金曜に開幕しました。このテーマは、メディアの視点の深さと、周囲の世界に対するメディアのアプローチへの注目を示しています。見識の高い社会は、独立したメディアや有識者が、法的な権限の枠内で可能性を発揮できたときに実現します。

 

今年の見本市では、国内のメディア関係者の他、世界の4大陸から代表者が参加しています。今回は、アゼルバイジャン、アルバニア、アフガニスタン、ロシア、イラク、マレーシア、ニュージーランドから7社の代表、イギリス、アメリカ、トルコ、中国、アゼルバイジャン、カタール、レバノンのメディアの支局長13人が、メディアの協力、事実に反する報道への対応、戦時中のメディア、新しいメディアの出現後の伝統的なメディアの危機、新たな時代の機会と挑戦、地域問題などをテーマに講演を行っています。

アルマヤーディンテレビ

 

レバノン・アルマヤーディンテレビのアリーハーシェム支局長は、「メディアにおける事実報道の危機」をテーマに講演を行いました。アリーハーシェム支局長は次のように語っています。

 

「この数年、メディアでは大きな変化が起こった。実際、数年前から、衛星放送の誕生により、人々は、政府以外の別の見解を目にしたり、耳にしたりするようになった」

 

アリーハーシェム支局長はさらに、「ソーシャルネットワークの拡大により、もともとあったメディアが攻撃を受けた。こうしてマスメディアはソーシャルネットワークの影響を受けている」としています。また、ソーシャルネットワークの広がりについて、次のように語っています。

 

「ソーシャルネットワークは、魅力的ではあるものの、事実をそのまま語ることについての危機に直面している。たとえば、フェイスブックでは、アルマヤーディンやアルジャジーラで伝えられた物語が語られていた。これらのニュースは魅力的であり、発表されるべきものであったが、一方で、その報道の真偽は明らかではなかった。ここ数年、メディアでは、ソーシャルネットワークを情報源にした多くの報道が発表されているが、それらの報道は、伝統的なメディアに多くの損害を与えてきた」

新聞

アルバニアの政治・社会週刊誌の編集長であるロゼッティ氏も、この見本市で講演を行いました。

 

「我々アルバニア人は、古い方法を捨て、日常のすべての作業をオンラインで行っている。中でも、新聞のオンライン化は顕著であるが、常に肯定的な側面ばかりではない」

 

ロゼッティ氏はさらに続けています。

「ハイパーメディアは、雑誌でありながら、ウェブ上のみで見ることができ、印刷はされない。新聞はオンライン化され、報道の伝達の幅が広がっている」

また、メディアの基準の変化に触れ、次のように語りました。「クリックされるか、いいねをもらえるか、といったことが、アルバニアのメディアの最大の関心事となっている。報道が正しいか否かは重要ではなく、唯一、注目されるのは、訪問者の数とクリック数になっている」

第23回メディア見本市

 

ロゼッティ氏はさらに次のように語っています。

「現代の世界において、メディアや通信社の紙の使用は大幅に減っている。ほぼすべてのメディアは、ウェブサイトを利用している。そのため、2017年、アルバニアの新聞社の職員の数は大幅に減少し、そのほとんどは解雇された。現在、新聞のデジタル化の肯定的な面ばかりが注目されているが、誰もその否定的な側面については語らない。伝統的なメディアは完全に廃れてしまったが、それは決してよいことばかりではない」  

第23回メディア見本市は、メディアに関するイラン最大のイベントであり、今月3日まで、テヘランのイマームホメイニー集団礼拝所で開催されています。

ラジオをお聞きの皆様、今夜はここで時間が来てしまいました。この番組は、パールストゥデイのウェブサイトでもご覧いただけます。アドレスは、parstoday.com/jaです。