イランの芸術
イラン北西部の伝統的な絨毯織り「ヴァルニーバーフィー」
本日は、イラン北西部アルダビール州メシュギーンシャフル市に来ています。この美しい観光地区・メシュギーンシャフル市はサバラーン山があることから、夏でも冷涼で心地よい気候に恵まれています。
この地域に伝わる独自の絨毯織り・ヴァルニーバーフィーは、イランの民族的手工芸の1つで、実際には薄手の絨毯もしくはキリムの一種とされ、季節的に移動する民族の間で多く使用されています。今回は皆様に、この民族芸術の1つに親しんでいただこうと思います。
この地域の気候はやや寒く、あまり温暖ではなく、気温の寒暖の差が大きくなっています。
ーここはあなたの家ですか?
はい。
ーきちんと整理整頓された、風情のあるお宅ですね。
ここには、夏一杯を過ごすために来ました。
娘さんが今やっているこの作業は何でしょうか?
これは、ヴァルニーバーフィーと呼ばれる絨毯織りの一種です。
この機材は何という名前ですか?
この機材はハーナーと呼ばれています。
これらは何ですか?
ヴァルニーと呼ばれる敷物です。
デザインや図柄は、それぞれ違っていますね。
そうです、これらの敷物はぞれぞれ違った図柄デザインが編みこまれています。
そして、これらの絨毯の一部は、あらかじめ用意されたデザインではなく、織る人のその時の思い付きで編みこまれています。
図柄デザインはどこからもってくるのですか?
多くは、製作者自身がその時に自分の頭に浮かんだアイデアによるものです。
もうどのくらいの期間、この仕事に携わっていますか?
私自身は、娘と同年齢ぐらいのときにこの仕事を始めました。
娘さんは今おいくつですか?
15歳です
どういう風に織るのか、そばで見てみたいのですが。
ええ、結構です。ではそこに行ってみましょう。
この地域で行われているヴァルニーバーフィーは、普通の絨毯織りとは違っていますよね?
そうなんです。機材も違っていますし、その作り・構造も別のものです。
ヴァルニーバーフィーでは、羊毛が使われます。
これらの羊毛はどこで入手するのですか?
今では、すぐに使えるようになっているものを外部から購入します。
以前は、すぐに使える羊毛はなかったですよね。昔はどうしていたのですか?
昔は、私達自身で羊毛から糸を紡ぎ、染色してから使っていました。
ヴァルニーを織るのは大変ですよね
このヴァルニーは何メートルぐらいになりそうですか?
これは6メートルです。
全部織り上げるのに、どのくらいの期間が要しますか?
完成までには、3カ月から半年はかかります。