イランの料理と世界各地の料理の比較
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イラン料理
初回である今回は、イランの料理と世界各地の料理を比較してみましょう。
「何を食べているか言ってみなさい。あなたがどんな人間であるかを言い当ててみせるから」
これは、フランスの司法官ブリア=サヴァランが、およそ180年前に、『味覚の生理学』という食文化に関する書物の中で記した言葉で、人類学者も注目を寄せ ています。人々が手に入る食べ物の中で、食事として選択しているもの、その調理法、そして食事の作法は、さまざまな社会の特徴を反映するものです。
食事は、人間が基本的に必要としているものを満たしてくれると同時に、それぞれの社会の文化的アイデンティティーの一部となっています。このため、世界各地で食べられている食べ物やその作法の中には、注目に値するものがあります。
実際、それぞれの社会の食事を形作っている最も重要な要素の中に、その社会の栄養の文化があります。この文化・慣習は、家庭の中から生まれてきたもので、社 会が整えた土台に関連するものです。しかしながら、この土台を整えたものは、社会の伝統や慣習、文化に端を発するもので、地理、文化、社会、経済の状況 や、社会に広まっている栄養管理の知識に左右されています。

『イランの食文化』では、イラン各地のさまざまな食文化について、また、食と関連した各地の伝統や慣習、伝統料理についてご紹介してまいります。
料理とは、さまざまな技術と道具を利用することで、各種の食材をおいしく、消化できる形に調理することです。しかし料理は、食材を調理すること以上の内容を含んでいます。
地理的、歴史的、社会的な要素の多くは、食文化やその社会の栄養管理に影響を及ぼしています。さらにさまざまな学術的な知識も、この文化的現象に関わりを 持っています。医学、芸術、地理、歴史、文学、社会学、人類学を専門とする学者は、物質的、精神的生活空間を明示し、認識するために、人類社会の栄養管理 や調理法、食文化を考慮しています。このことから、人類学の専門家の中には、それぞれの社会で食べられているものや食材の消費方法について研究すること が、その社会が辿ってきた歴史を振り返ることになるとする人々もいます。

世界各地で食べられているものを研究してみると、この世界には、国や町の数だけの料理法が存在することがわかります。しかしながら、これらの料理法を分類し てみると、最終的に幾つかの大きなグループに分けることができます。イランの料理法もまた、その主要なグループのひとつに含まれます。
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