8月 30, 2016 16:10 Asia/Tokyo
  • インターネットが青少年に及ぼす影響
    インターネットが青少年に及ぼす影響

今回は、青少年に対するインターネットの悪影響への対処方法について考えていくことにいたしましょう。

青少年期は、最も純朴で興奮しやすく、最も多感な時期です。こうした感情が理性にそって正しく活用されれば、現世と来世の成功と幸せがもたらされます。彼らはこの時期、人生の経験を求めています。青少年を何よりも惹きつけるのが、興奮と新しいものです。このため、新しい通信技術は彼らにとって非常に魅力的であり、彼らの一部は先進技術に魅了されるのです。こうした先進技術で、最も人気があるのはインターネットです。今日、青少年は多くの時間をこの先進技術に充てていますが、この技術には弊害も伴います。

前回のこの時間は、インターネットの不適切な使用が青少年に及ぼす弊害についてお話しました。青少年期が、将来において特別な役割を果たすことから、この弊害を防ぐために必要な予防措置を講じる必要があります。今回は、インターネットによる弊害の治療法や予防措置として、精神科医が提唱する方法の一部を紹介することにしましょう。このプロセスにおいては、両親や学校、家庭における年長者が、非常に大きな役割を果たしています。

 

両親がすべきこと

21世紀、子どもの生活においてインターネットの存在は、もはや避けられないものだと思われます。このため、両親は、インターネットという技術や、インターネットにおいて子どもが行うと思われる行動について知り、子どもの逸脱した行動への対処方法を学ぶ必要があります。保護者は、家庭内において、個人的に使用されることのない場所にコンピュータを置くようにし、インターネットにおける子どもの活動を監視できる状態にするべきです。さらに、子どものインターネットの使用について決まりごとを設けてもよいでしょう。

両親は、倫理に反する内容や画像についての正しい見解を、穏やかに説明し、一部のサイトが悪影響をもたらすものであると、子どもに説明する必要があります。なぜなら、不適切で厳しい措置に対しては、子どもが否定的な反応を示し、かえってひねくれてしまう可能性があるからです。いずれにせよ、保護者は自分たちよりも子どもの方がインターネットに馴染んでいるという現実を認めなければなりません。このため、子どもをインターネットの悪影響から守りたいのであれば、インターネットの代替物でその空き時間を埋めることに、より多くの時間を費やす必要があります。

両親は子どもに対し、パスワードを他人、さらには親しい友人にさえも漏らさないように警告すべきです。なぜなら、パスワードを明らかにすることは、コンピュータに保存されている個人情報が、悪用される下地を作ってしまうからです。中には、子どものメールアドレスやパスワードを悪用して、他者に不適切な内容を送信し、コンピュータ犯罪となった事例も見られます。

両親は、子どもに対し、個人の写真や家族の写真を、決して他人、特にチャットルームに公開しないよう教える必要があります。子どもは、例え習い事への入会に当たって、自分の名前や住所などの個人情報をウェブサイトに登録する際にも、これらの個人情報が見知らぬ他人に流出してはならないことを知っておかなければなりません。子どもたちに対しては、公のサイトに自分の個人情報を登録する時に、親に相談するよう告げておくべきでしょう。

 

前回は、犯罪者の一部がインターネットを利用して若者に対する性的暴行を行っていることに触れました。このため、各家庭では性犯罪者や、犯罪グループのメンバーを募集する人々に対処すべきかを、子どもに教える必要があります。

さらに、両親は、甘い言葉をかけて誘惑し、有害な関係を持とうとと持ちかけてくる人に対しては、断固とした態度をとり、その関係をすぐ絶つよう教えなければなりません。この点について、信頼できる適切な親の態度は大きな役割を果たします。なぜなら、子どもの一部は、こうした出来事が親に通達されることへの恐れから、取り返しのつかない犯罪に手を出す可能性があるからです。このため、家庭内の環境は子どもが安心して親に自分の悩み事を打ち明けられるよう、穏やかで論理的、且つ信用できるものでなければなりません。

学校側がすべきこと

青少年に影響を及ぼす、重要な環境の1つは学校です。学校側が適切な措置を講じることによって、インターネットによる弊害の一部を防ぐことができます。学校環境における必要な措置の1つは、インターネットの正しい使用を生徒に教えることです。教師は、あらゆる学習内容について彼らが閲覧してもよい適切なサイトの一覧を用意してもよいでしょう。様々な分野において、教師たちが有益なサイトを紹介することで、青少年の多くの好奇心の大部分に応えることができるのです。

教師たちはまた、子どもたちがインターネット空間にいてもよい時間を設定し、その中で勉強のためにサイトの閲覧を許可する、という方式をとることもできます。これにより、子どもたちは学校内で許可されていないサイトを閲覧することはなくなります。一方で、学校内で責任者が児童や生徒のインターネット活動を管理することも、インターネットによる弊害を阻止する方法の1つです。

学校環境におけるコンピュータやインターネットの使用に関する決まり事を設けることは、必須だといえます。生徒がこれらの規則に違反した場合には、彼らに注意を与え、規則に従って彼らに対応しなければなりません。また、学校内のコンピュータがある場所には、関係する教師たちが存在して、子どもたちの活動を監視できるようでなければなりません。

 

影響を及ぼしうるその他の存在

青少年のインターネットの利用の方法に適切な影響を与えるその他の要素として、兄弟や姉妹、周りにいる大人の存在が挙げられます。これらの人々は、子どもを持つ親に信用され、倫理的に適切であると見なされていることを条件に、青少年にインターネットの正しい使用法を教え、彼らの誤りに気づき訂正することが出来ます。彼らはまた、適切な折に正しい注意を与えることで、子どもによるインターネットの誤った使用を防ぐことができるのです。

 

さらに上の段階での対処法

これまでお話してきたような方法にもかかわらず、子どもがインターネットを過剰に、また不適切に使用する場合、特にそれが意図的なものである際には、家庭や学校でのインターネットの使用を制限するなどの適切な対応をする必要があります。また、許可されていないサイトにアクセスしている場合には、親は注意し、正しく使用していると信用できるまで、子どもにインターネットを使わせないようにすべきです。ですが、本人が意図せず好ましくないサイトを閲覧した場合には、強い態度を示してはなりません。それは、この場合のそうした対応が逆効果となる恐れがあるからです。

 

実際に、親子関係は、子どもが好ましくない画像や内容を閲覧した後に、それを親に打ち明けることができ、助けを求めることができるようなものでなければなりません。このような場合、親は倫理的な価値観の重要性や社会の規範、社会習慣への違反による弊害について語り聞かせることも可能です。

内面からの制御の重要性

結論として、子どものインターネット使用の管理には、外部からのコントロールのみでは十分ではありません。この年齢の子どもたちが倫理や精神性に関する教育を受け入れる下地があることに注目した上で、自分が常に神の御前におり、神の前で罪を犯してはならないこと、自分の行動が神に監視されていることを知っておくべきだということを教える必要があります。この場合、青少年は自分の内面を制御する力を身につけ、外部からの監視に気づかなくとも、犯罪には走らなくなるのです。

 

 

 

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