ゴレスターン州の湿原(画像)(動画)
イランの広大な土地には、美しい湿原が散在しています。
イラン北部のゴレスターン州は、イランで最も美しい自然を持つ州のひとつです。ゴレスターンにはいくつかの湿原があり、その中にアーラーゴル、アールマーゴル、アージーゴルという三つの湿原があります。これらの湿原は、ゴレスターン州北東部、イランとトルクメニスタンの国境近くにあるトルキャマンサハラーの平原にあります。
アーラーゴル、アールマーゴル、アージーゴルの三つの湿原は、アトラク川とその周辺の泉を源にしています。一部の地図では湖の名前になっていますが、ラムサール条約の定義に基づき、水深が6メートル以下であるため、国際湿地とされています。
アーラーゴル、アールマーゴル、アージーゴルの湿原は、ゴレスターン州北東部のゴンバデカーヴース行政区に位置しており、これらの湿原の面積は合わせて1400ヘクタールとなっています。一方で満潮時にはアラーゴルは2500、アルマーゴルは307、アージーゴルは320ヘクタールとなり、その高さは5メートルになります。
この三つの湿原の名前についている「ゴル」という接尾辞は、トルコ系の言葉で、水が集められた場所という意味で、トルクメニスタンの言葉では、塩のよどんだ沼を意味します。この三つの湿原はどれも一つの川を水源とし、水鳥や渡り鳥、水生動物が集まる場所となっており、1976年にラムサール条約に登録されました。
湿地は、見た目では異なっています。アーラーゴル、アールマーゴル、アージーゴルもまた、異なった形をしています。アージーゴルは長細く、アーラーゴルとアールマーゴルは円形をしています。
さらにアージーゴル湿原は深さが最大で3メートル、平均で1.5メートルとなっています。アーラーゴルとアールマーゴルの水深は平均2メートルとなっています。この深さは沈殿物を取り除く作業により変化します。
アーラーゴル、アールマーゴル、アージーゴルはアトラク川の泥水が流入することから、泥や粘土などで覆われており、年間を通じても表面的に多くの変化が見られますが、地域の穏やかな気候により完全に乾燥せず、冬季には水面も凍りません。こうした特徴により、これらの湿原は渡り鳥を受け入れる場所になっています。アージーゴルは塩水、アーラーゴルも比較的塩水に近く、アールマーゴルは淡水であり、これもまたこれらの湿原の生物の多様性につながっています。
湿原はさまざまな生態学的な特徴を有しています。3つの湿原の間は葦などの植物で覆われ、アージーゴルは他の二つの湿原より、茂みが多くなっています。こうした植物は、水鳥の産卵や冬季の渡り鳥の生息のために適切な場所を作り出しています。
十分な植物で覆われていることから、渡り鳥の大群がある時期にこれらの三つの湿原に渡ってきます。フラミンゴやペリカン、ガチョウ、白鳥、アヒル、ツバメなどが見られます。
ゴンバデカーヴース環境保護局によれば、毎年、シベリア北部の渡り鳥がこれらの湿原に渡ってくるということです。これまで85種類の鳥類が確認されており、19種類が土着、66種類が渡り鳥であり、このうち14種類はこの地域を通過する鳥で、残りはここで冬や夏を過ごします。これらの湿原には哺乳類も生息しており、猪、狐、山猫、狼、ジャッカルなどが見られます。
また、コイなどの魚類も生息し、市の観光局の許可があれば、一定期間、漁をすることも可能です。
アーラーゴル、アールマーゴル、アージーゴルの三つの湿原は、乾燥した砂漠地域に位置していることから、葦などのひげ根を持つ植物しか生育しません。
お話したように、類まれな美しさや生物学的な価値以外にも、湿原には経済的、社会的に多くの価値があります。アーラーゴル、アールマーゴル、アージーゴルの各湿原もまた、地域の住民にとって多くの重要性を有しています。地元の、特にラクダを飼育する畜産業や狩猟、漁業においてもニーズを満たしています。
さらに、これらの湿原のそばでは養殖業も行われています。1年の一時期、農業にアールマーゴル湿原の水が使用されています。またこれらの三つの湿原は川の洪水を抑制する上でも役に立っています。エコシステムの点からもこの三つの湿原は多くの価値を有しているのです。
湿原の唯一無二の価値、そして動物や渡り鳥の生息地、さらには観光地としてのイランの湿原の地位を維持するには、適切な計画と管理が必要です。このため、環境庁の保護官がこれらの湿原を巡回しており、毎年これらの湿原の鳥類の数を調査しています。
アーラーゴル、アールマーゴル、アージーゴルの湿原の類まれな自然の力は、イランにおける観光の中心を作るための特別な可能性を整えています。これに関して、これらの神の恩恵を保護するためにイランは多くの努力を払っており、こうした措置よって、これらの湿原はイランの美しい観光地の一つになることが予想されます。