12月 05, 2016 16:26 Asia/Tokyo
  • 奈良・正倉院展、破斯清通の導き

かなり時間がたってしまった話題ですが、先日一時期帰国した折に、奈良の正倉院展に行ってきました。今回は古代イラン的なフォルムを持つ、漆胡瓶が18年ぶりに開陳されていました。

実際に御物を見て感動したのはこれが初めてで、日本に住んでいたときにはなかなかタイミングが合わず、毎年行きそびれていましたが、イランに住むようになって初めて、そういう機会に恵まれました。今年は奈良時代にイラン出身と思われる破斯清通なる役人が日本に住んでいたことを記す木簡が発見されたためかもしれません。1000年以上の時を経ているとはいえ、この役人はちょうど今の私たち、つまりイランに住みイランの仕事をしている日本人と対称的な立場にあります。私が正倉院展にこれたのは、経歴もよくわからない、この人物の導きなのかもしれません。