2月 08, 2017 18:08 Asia/Tokyo
  • ナレッジベース企業
    ナレッジベース企業

前回に引き続き、ナレッジベース企業についてお話ししましょう。

今日、イランでは、数百のナレッジベース企業と数十の科学技術地区が存在します。これらの企業は、航空宇宙、情報通信技術、電子、医療や薬品、石油・天然ガス・エネルギー、ES細胞、印刷と包装といった分野で活動しています。そしてこれまで、多くの発明や構想を登録し、一部は商品化によって国内外の市場に製品を提供しています。

 

OECD経済開発協力機構によれば、ナレッジベース経済とは、知識や情報の生産、分配、利用に基づき、投資の大部分が発明とイノベーションに割り当てられるような経済のことを指します。言い換えれば、ナレッジベース経済とは、知識や技術に価値を与えるような生産方法に対して使われる言葉です。

 

ナレッジベース経済とは、独創性、革新、投資、通信インフラの整備、科学技術パークの設置、構想の製品化などに基づいています。ナレッジベース経済の形成においては、優秀な人材、支援システム、研究予算、インフラなどが重要な要素になっており、それらに基づいて、知識を富に変えることができます。近年、このような経済を実現することが、イランのイスラム体制の目標となっています。

 

イランのナレッジベース企業の活動のひとつは、海運産業と技術開発の分野におけるものです。イランは北部と南部に海を有しているため、イランにとって海運産業は戦略的な産業となっています。

 

ここ数年、イランは海上の防衛産業において目覚ましい成功を収めてきました。中型の潜水艦に関して、イランは高い性能を持つこの種の潜水艦の設計、製造の能力のある限られた国のひとつとなっています。この他、駆逐艦やミサイル搭載の高速小型艦船の設計と製造などが、イランの成功例となっています。

 

イランは豊かな石油資源を有することから、石油プラットホームの製造などにおいて自給自足を達成しています。また、大小の船舶の製造の経験についても、目を見張るものがあります

 

ナノテクノロジーは、あらゆる科学分野に急速に進出している技術のひとつです。ナノテクノロジーは、医療、製薬、獣医学、生物学、物理学といった分野で利用され、工学、電力、化学にも関連しています。

 

2016年、イランはナノテクノロジーの応用分野で世界6位となりました。現在、ナノテクノロジーに基づいた300種類以上の製品がイランで生産されており、世界17か国に輸出されています。

 

しばらく前に、イランでナノ繊維を製造する機械が産業化されました。(次の一文カット)イラン国内の発電所でこの機械が使用されたことにより、エネルギーの節約につながっています。この機械はこれまでに、ナイジェリア、マレーシア、韓国に輸出されています。

 

ナノテクノロジーの分野ではまた、イランの研究者は、水や環境の分野の発明に成功し、低コストで飲料水を浄化することができるようになりました。

 

世界の商品取り引きの拡大に伴い、包装産業は、製品を売却する上での重要な要素として、その重要性が高まっています。今日、スマートパッケージングという機能性のある包装が、食品製造業界の注目を集めています。

 

機能性のある包装とは、安全性が高く、保存期間が長い、偽造リスクが低い、生産コストが低いといった利点があります。

 

航空宇宙産業は、独自の特徴を持ち、非常に複雑で戦略的な技術を必要し、その国の国力を示すものです。今日、様々な国が、無人機の設計と製造の実現に向けて努力しています。

 

イランの航空宇宙産業は、目覚しい発展を遂げてきました。防衛用の武器の製造の他、無人機や訓練機などの製造に成功しています。

 

この他の、イランのナレッジベース企業の活動分野に、マイクロエレクトロニクスの分野があります。

 

これまでお話してきた事柄は、イランのナレッジベース企業や科学技術研究施設の成功の一部に過ぎません。これらの企業の経験が浅いこと、適切な市場が認識できていないこと、競争力がないことなどから、2014年には、ナレッジベース製品の輸出コリドーが形成されました。これは、イランのナレッジベース企業が世界の市場を知ることができるようにし、市場獲得のための最新の情報をこれらの企業に伝えるためのものです。これにより、イランのナレッジベース企業の製品が世界の市場に進出する可能性が整えられます。