3月 08, 2017 17:06 Asia/Tokyo
  • イランの建築用石材
    イランの建築用石材

今回は、イランの建築用石材についてお話ししましょう。

イラン製の建築用石材の色、質、デザインの多様性により、イランはこの分野で世界のトップの地位を誇っています。

 

岩石とは、学術的には一種類、あるいは数種類の鉱物を含むこともある、大地の付着物です。これまでに3000種類以上の天然の鉱物が確認されており、そのうちの20種類以上が岩盤に存在しています。岩石は、その生成のあり方によって、火成岩、水成岩、変成岩の3つに分類されています。

イランの建築用石材

 

岩石は、人間が道具や家、ニーズを満たすためのものを作るために利用した最も原始的な物質のひとつです。現在、岩石は運搬や採掘が困難であることから、建物の建築などのさまざまな用途においてレンガなどに取って代わられていますが、今なお、橋やトンネルなどの建設において、その重要性を保っています。

 

装飾用の石材は、建築産業において優れた地位を有しています。世界の建築用石材は、年間800億ドル以上の取り引きが行われています。

 

イランにおける石材の採掘と利用は長い歴史を有しています。文明を築いた古代イラン人は、建物の建設や装飾に建築用の石材を利用していました。7000年前のものとされるイラン北部の石でできた家の跡は、この地域における石材の利用の歴史を物語っています。ペルセポリスやパーサールガードといった古代遺跡、ロレスターン州のシャープール橋、ギーラ―ン州の城塞、その他、多くの歴史遺産は、イランの建物において石材が一般的に利用されていたことを物語っています。

ペルセポリス

 

今日、イランは装飾・建築用石材の40億トンの備蓄により、石材産業において世界のトップ10か国のひとつとなっています。世界ランキングによれば、イランは装飾用の石材の備蓄の点で4位となっています。また、建築用石材の多様性の点でも、豊かな国のひとつとなっています。

 

ヨーロッパやアジアの一部の国は、石材の市場において積極的な活動を行っていますが、そのいずれの国も、イランほどの多様性を有していません。イラン製の石材の色、質、デザインの多様性により、イランは世界でトップの地位を誇っています。

 

イランには、装飾・建築用の100種類を超える石材が存在します。また、およそ130か所の建築用岩石の鉱脈、5000を超える砕石(さいせき)工場、600近いこの産業に関する工場が、装飾用の石材の生産で活動しており、その点でイランは世界のトップ7か国のひとつとなっています。

 

イスファハーン、ヤズド、ケルマーン、ホラーサーンラザヴィー、南ホラーサーン、ファールス、コルデスターン、東・西アーザルバイジャーン、ロレスターンなど、イランの多くの州には、高い質を誇る装飾用・建築用岩石の産地が存在します。

 

 

石の質は、さまざまな要素によって決定されます。岩石は、物理的、化学的な条件に耐え、太陽の熱、風、温度の変化などに対して耐久性を持つものでなければなりません。良質な石とは、亀裂がなく、色が均一で、汚れがないものを指します。

 

石は生産から消費まで、発見、採掘、運搬、砕石などのさまざまな段階をたどります。鉱山から取られる大きな岩石は、さまざまな用途に使われます。

 

イランの工場で生産された石材は、国内の市場だけでなく、ヨーロッパやアジアの市場にも、原料のまま、あるいは加工した状態で輸出されています。イタリアやトルコといった一部の国は、イラン産の岩石を自分たちの国の名前で市場に供給しています。

 

イランの建築用石材

 

近年、技術の進歩により、新たな機械を利用することによってこの分野の生産能力が高まっています。

イランの建築用石材

 

 

昨年、ロシアで開催された石材の国際見本市で行われた評価により、イランの石材産業は、この見本市の参加者の中でも優れた地位を誇っているとされています。この見本市への参加は、イランの石材産業の分野で活動する企業にとって初めての経験となり、大きな成果を挙げることができました。この見本市の責任者は、それをイランの企業にとって、新たな輸出市場を開拓するための大きな機会になったとし、次のように語っています。

 

「イランの石材産業のブースでは、質の高い美しい製品が展示され、顧客にとって非常に魅力的なものだった」

イランの建築用石材

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