2017年 8月25日(芝田・福本)【音声】
「イランが世界男子バレー最終予選で本大会出場を決めましたが、イランの男子バレー代表は強いですね。国内ではどのくらいの数のチームがあるのでしょうか。強豪のチームのことや、イランでのバレーボールの人気など番組で紹介していただければ幸いです」
●リスナーより
「イランが世界男子バレー最終予選で本大会出場を決めましたが、イランの男子バレー代表は強いですね。国内ではどのくらいの数のチームがあるのでしょうか。強豪のチームのことや、イランでのバレーボールの人気など番組で紹介していただければ幸いです」
●ラジオより
芝田
イランは今回、全勝で本大会への出場を決めました。アジアでは敵なし、と言ってもいいのではないでしょうか?
福本
本当に。我らが日本代表にも、もう少し頑張ってほしいところではありますが。
芝田
本当ですよね。ところで、イランは代表チームが強いということは、国内リーグも盛んなんではないでしょうか。
福本
イランの国内のバレーリーグは、スーパーリーグと呼ばれ、1975年に設置され、12チームあるようです。最近では、バンケ・サルマーイェというチームが2年連続で優勝しています。このチームには、代表チームに選ばれている選手が何人かいます。
芝田
ここ最近では、国際大会での活躍のせいか、ずいぶんと男子バレーの人気が高まっていますよね。
福本
そうなんですよね。なにしろ、あれだけ体格の良い選手たちがコート狭しと躍動する姿はとても迫力がありますし、それに国際バレーボール連盟が発表した世界ランキングでは、イランは8位なんですよ。応援したくなりますよね。
芝田
8位は立派ですよね。最近では、女性の観戦が許可されるようになって、先日のアルデビールの大会では、何と全体の半分の3000人の女性が観戦したと聞きました。今後ますます、人気に拍車がかかるのではないでしょうか。
●リスナーより
「ところで、日本ではアメリカによる広島、長崎への原爆投下から72年になり、平和祈念式典が執り行われました。後は8月15日の終戦記念日を迎えるのですが、最近の世論調査でショッキングなことがありました。10台の若者を対象にしたものですが、そのうち14%の若者が、終戦記念日を知らないということです。これには私はとても驚きましたが、小中高校での歴史教育に問題があるのかもしれません。この結果には、元高校教師の専門家が警鐘を鳴らしていました」
●ラジオより
芝田
ということなんですが、福本さん、終戦記念日を知らない若者が14%、という結果は驚きました。
福本
はい、びっくりですね。終戦記念日もさることながら、先日日本から配信されているテレビ番組を見ていましたら、出演している10代の子役さんたち、誰一人として広島の原爆の日が8月6日だということを知りませんでした。戦後72年なんですよね、語り継いでいく必要性を本当に強く感じました。
芝田
イランでも広島と長崎の原爆投下の日については、国内のニュースでも取り上げられたりしていますよね。驚いたことと言えば、終戦記念日とは関係がなくなってしまうのですが、以前、世界一周の旅をしている、という日本人の20代の女性にイランで会ったんですね。そのときに、彼女に「どうしてイラン人は日本語が話せるんですか?」と聞かれたんです。
福本
それは、1988年にイランイラク戦争が終わってからの90年代を中心に、イラン人の方たちが大勢、日本に出稼ぎにやって来ていたからなんですよね。今もタクシーの運転手さんから、日本語で「かつて日本に仕事に行っていたんだよ」と懐かしそうに話しかけられることがあります。
芝田
私もよくあります。私にとっては当たり前の事実だったんですが、あー、知らない世代に入ったのかと。そう考えると、イラン人がどうして日本語が分かるのか、彼女にとっては本当に不思議なことだったのだと思います。
福本
そうなんですね。彼女にとっては生まれる前の出来事なんですものね。
●リスナーより
「テヘラン市内には、日本の秋葉原のような電気街があると教わりました。IRIBの技術スタッフは、放送機器のメンテナンスや故障修理のためにテヘラン市の電気街に部品を調達しに行ったりしますか?」
●ラジオより
芝田
ということですが、IRIBの技術スタッフが直接、部品を調達しにいったりはしないようです。確かに、やまざきさんが仰るとおり、テヘランにも秋葉原のような電気街がありますよね。ジョムフーリーと呼ばれる通りで、両隣には電気製品がならんだお店がしばらく続きます。福本さんは行ったことはありますか?
福本
はい、ありますよ。イランに来て間もない頃、生活道具一式を揃えるにあたって、このジョムフーリーに出かけて冷蔵庫とガス台を買いました。どちらの電気製品も15年以上、よく働いてくれましたよ。
芝田
それは立派ですね。メンテナンスや故障修理と言えば、電気製品ではないのですが、先日、テヘラン中心部にあるグランドバザール、大バザールに出かけてきました。実は、友人に指輪の修理を頼まれていたんです。小さな石がちりばめられた、ちょっとこったデザインの指輪でした。バザールに行けば直してもらえる、と聞いたので、出かけたのですが・・・
福本
バザールの中にそうした所があるんですね。バザールって本当に奥が深いですね。
芝田
そうなんですよ。普通のアクセサリーやジュエリーを売っているお店の奥をちょっと入っていくと、そこは両側に修理屋さんがたくさん並ぶ路地でした。本当に秋葉原みたいだと思いました。きっと専門的な人、詳しい人しかあまり来ないんだろうと思われるような通りで、中には金を溶かして別の形にするお店もありました。私が立ち寄った修理店は、大小さまざまな形の石を揃えていて、出来上がりもよく、本当に満足でした。職人さんも、私の意向を詳しく聞いてくれて親切でした。福本さんも、アクセサリーのお直しがあれば、あそこに行ってみたらよろしいかと。お勧めです。
福本
デザインが古くなってもう何年も使っていない指輪があるんですが、じゃあ、番組の後でぜひ詳しいことを教えてください。
芝田
探検するだけでも楽しかったです。
●リスナーより
「イランでも、還暦のような長寿や健康を祝うような風習はありますか?また、会社雇用制度の中で、定年は何歳ですか?」
●ラジオより
芝田
イランでも、還暦のような、何歳、という年の節目を祝うような風習はありましたっけ?
福本
いいえ、私の経験では聞いたことがありません。還暦以外の例えば77歳の喜寿、80歳の傘寿に代表されるように、こうしたお祝いの節目は漢字の造りからきていますものね。
芝田
それから、会社の雇用制度についてのご質問でした。定年についてはイランの制度は日本と違って面白いですよね。
福本
年齢ではなく、勤務年数で決まります。
芝田
そうなんですよね。通常は勤続30年ですが、ここIRIBを含め、専門職ということになると、25年で退職できるそうです。
福本
女性だけに限り、早く退職したければ、その希望が受け入れられるそうです。IRIBの女性職員は、20年で退職する人が多いと聞きました。
芝田
この制度でいくと、皆さん大体、お子さんがまだ大学生であったりして、教育費用もかかるときに定年になってしまうんですよね。それで、定年後も働き続ける人が多いようです。
福本
おっしゃるとおりで、ラジオ日本語の初代課長だったジャラリアーンさん、定年でラジオ日本語の課長を退いた後は、他のセクションに再就職していらっしゃいました。
芝田
そうでしたね。先日は、世界の退職年齢についての記事の中で、UAEが49歳だという記事を見ましたが、イランもほとんど変わらないような気がします。大卒ですぐに働き始めたとすれば、52歳ですものね。そんな人はあまりいないのでしょうか。でも大体の人が、60歳になる前に退職を迎えているようです。
福本
私の感覚では、まだまだ働き盛りでもったいないような気もしますねぇ。社会保障がしっかりしていて、残りの人生を悠々自適で暮らせれば、それに越したことはありませんけれど。ただ、私の周囲では会社勤めをしている方よりも自営業の方たちが多いんですよね。その場合は年齢に関係なくずっと現役で働いていらっしゃいますよ。