2018年3月2日(北川・中村)【音声】
お久しぶりです。今日2月2日は府中で続けて雪が降っています。受験シーズンなので受験生への影響が心配です。日本やその周辺では、受験戦争とその低年齢化が問題視されて久しいですが、貴国ではいかがですか。
●リスナーより
お久しぶりです。今日2月2日は府中で続けて雪が降っています。受験シーズンなので受験生への影響が心配です。日本やその周辺では、受験戦争とその低年齢化が問題視されて久しいですが、貴国ではいかがですか。
さて、日本では受験シーズンの到来で、各種学習塾の宣伝合戦も大変なものです。お国での進学に関する受験対策について、学校教育以外での受験産業の現状についても、番組の中で紹介してください。
●ラジオより
(北川)私も1月の受験日に雪が降り、受験した大学が山の上にあるような場所だったので、滑らないように気をつけていたのを思い出しました。実は2回受験したのですが、1回目は見事すべり、2回目は合格しました。さて、中村アナ、日本の受験戦争に絡めて、現地のお受験状況ですが、こちらには有名校といわれるような、小学校中学校高校はあるのでしょうか。また、小、中学生を対象とした学習塾はあるのでしょうか。
(中村)一応、有名校と言われるところは私立、公立を問わずあって、そこの中学や、高校に入れば、大学はどんな難関でも絶対合格する、という評判のところはあります。イランでは幼稚園から大学まで一貫した私立の学校というのはないので、小学校のお受験というのは聞きません。学区にもよりますが、私立よりは公立の方がしっかりしている、といわれることが多いので、家から通える範囲にある公立に子供を入れることが多いです。最近、中学校に入るのに、公立でも有名校は試験が必要になって、弊害があるというので、試験が撤廃されました。それで、いったいどういった規準で入れてもらえるのか、親も子供も迷っているのが現状です。もちろん、私立では学生の振り分けに試験をすることも可能です。ふつうであれば、小学校6年生の最終試験は、全国統一試験が行われますから、それを受けて、その結果を持って、行きたい中学校に入ります。点数によっては入れてくれないこともあります。中学校の終わりにも統一試験があり高校入学に関しても同じようなことをします。ただ、日本と違って今のところ、高校受験は公立に関してはありません。中学に入るときと同じような手順で入学します。大学受験については、ここ10数年で大学の数も増えたのであまりえり好みをしなければ、大学生にはなれますが、テヘラン市内で、親元から通うことができて、国立の人気のある学科だと競争率は高いです。イランでは日本のように大学受験のための統一模試が行き渡っていません。なので、行きたい大学がどの程度のレベルなのか、自分のレベルがどうなのかは、周りの先生に聞いたり、予備校に行ったりしないと客観的には分からないのです。こういうときは偏差値はとても便利だなと思います。
学習塾に関してですが、小学校から大学受験予備校まであります。また、家庭教師も個人がやっているものから、派遣センターになっているものまでさまざまです。塾よりは家庭教師の方が指導がきめ細かいと、好まれますが、こういった教育費は、私立の大学よりも月謝が高くつくことがあります。大学受験の予備校などは、合格発表が終わると、塾の評判を上げるため、合格者の写真とどこに合格したかを大きく印刷して塾の外壁に張り出していることが多いです。それを見て子供を入れる塾を選んだりするのですが、なかなか客観的な評価を手に入れるのは大変です。
(北川)過去問のような教材も売っているのでしょうか?
(中村)過去問は、本当に様々あります。小学生向けの問題集には、6年生の終わりの統一試験に出た問題とその解説集みたいなものもありますし、今では廃止になったそうですが、イランでは英才教育を施す学校がたくさんあって、高い学力を持つ子どもが通うのですが、そこの入試の過去問も売られています。また、大学受験に関しても、イランは大学独自の試験はありませんが、日本のセンター試験のようなコンクールと呼ばれる入試の過去問もたくさんあります。あと、大学受験のためには予備校、家庭教師の他にも自主学習の手助けにと、各種参考書の他、有名な先生が受験テクニックも含め解説するDVDがセットで売られています。テレビでも教育テレビでそういった番組が放送されています。

●リスナーより
今日のイラン音楽、乗れてよかったです。あのような音楽もイランであるのですね。永遠に聞きたい曲でした。イラン音楽を聴けるサイトがあれば、ぜひ紹介してください。
●ラジオより
音楽コーナー担当として冥利に尽きます。イラン音楽を聴けるサイトですが、特定のサイトをお勧めすることは、諸事情により控えさせていただきますが、英語で検索しても、いくつかサイトが出てきますので、いろいろご覧になってみてください。おそらく、ポップスもあると思います。

●リスナーより
イランでの革命当時のお話には、深く感動いたしました。山村邦子さんの行動力にも感激いたしました。『掌に自分の住所を書いていた』、万が一の場合でも、自宅へ戻してもらうため。内戦状態とは、デモへの参加への覚悟、さらっと当然のようにお話になりましたが、ただただ、感動しました。
●ラジオより
(北川)小野さん、お便りありがとうございます。革命から40年が経過しようとしていますが、山村さんのインタビューのような証言は、日本人、イラン人問わず、当時の人がどのように思ったか、どのように行動したかの貴重な資料だと、私自身も考えております。こういった貴重な番組を放送できるよう、これからもつとめてまいりたいと思います。

●リスナーより
今日の「金曜広場」では、ラジオ日本語で新しいスタッフとしてサイトを担当しているモハッデセ・バーゲリー・ダナーさんのインタビューがありました。昨年、フーシュファルさんが退職されてから新スタッフに誰がなるのだろうと気になっていましたが、よかったですね。
IRIBのインターネットサイトはすばらしい情報を我々リスナーに提供してくれていますので、これからの活躍を応援していきます。日本のアニメにとても興味を持っているとのことなので、ぜひ、日本に来てアニメーションを楽しんでください。宮崎駿さんに会えるといいですね。
●ラジオより
(北川)及川さん、お便りありがとうございます。先週の金曜広場で放送された新スタッフのバーゲリー・ダナーさんですが、日本のアニメは現地でも人気がありますよね。どんな作品が人気なのか、ご存知ですか。
(中村)ジブリの作品はもちろん、私が日本で知らなかった作品もけっこう放送されています。先日テレビをつけていたら、「ピアノの森」が放送されていてこういうアニメもこちらで見られるのだなあと思いました。日本のアニメはちょっとみても絵のタッチが独特なのですぐに分かりますよね。あと、「ももへの手紙」もテレビで見たことがあります。
(北川)あと、スタジオジブリ作品もペルシャ語吹き替えで、DVDとして販売されているのを見たことがあります。テレビでは放送されているのを見たことはないのですが、宮崎駿監督の似顔絵が表紙になった現地の映画雑誌も見たことがあります。イランでも一定数のファンは存在するようですね。
(中村)そうですね。私たちはまず日本版を見てからペルシア語吹き替えを見ることが多いので、子供などは声のイメージが違ったりするとブーブ文句を言っていますが、とにかくDVDとして見ることができるというのはありがたいことですよね。