3月 31, 2018 14:34 Asia/Tokyo

2018年3月30日(中村・芝田) 

リスナーより 

  テヘランでは、春の風物詩とは、どんなことでしょうか?春となれば草木の芽吹きの香りが強くなるような気がしてしまいます。もちろん、出勤のため、自宅を出発する時間、真っ暗から明るくなるのも日が長くなった証拠と言えそうです。食べ物と言っても年中同じものが並んでいるのでは、季節感に乏しいかもしれません。皆様の周囲の春を感じさせるものをご紹介いただければ幸いです。

 

●ラジオより

中:大変、春らしいお便り、ありがとうございます。芝田アナにとって、春を感じさせるものは何ですか?

芝:そうですね。やっぱり春を強く感じるのは、緑が増えたり、きれいな花が咲いたりするところですが、この時期のテヘラン、というかイラン独特の出来事と言えば、私はサマータイムが始まることだと思います。サマータイムが始まって、今までは6時半ごろに暗くなっていたのが、一気に7時半になるじゃないですか。一日が急に長くなった気がしますし、そのときに、あー、春が来たなと強く感じます。まあでもやはり、自然の変化は大きいですよね。テヘランは特に、乾燥しているため、日本に比べて自然の色彩が薄いので、春になると一気に新緑が増えて大きな変化が感じられると思います。

中:そうですよね。新緑と言えば、街路樹もつい先日剪定していたと思ったのですが、いまではきれいな黄緑色の若葉が一斉に芽吹いていますよね。最近ではテヘラン全体が気温が高いので、春になっても順番に花が咲くと言うよりはノウルーズの直前にすべての春の花が一気に咲く、という感じがします。例えば、この時期は、黄色のレンギョウや、珊瑚色の木瓜の花、桜も葉といっしょに一度に花をつけましたし、満開はこれからですが、西洋花蘇芳もつぼみが膨らんでいてきれいですよね。また、花壇にはパンジー、チューリップ、そして、花屋さんには紫やピンクを中心としたシネラリア(サイネリアとも言いますが)が、年始回りの時の贈り物として並んでいます。さて、M4さんは食べ物は季節感に乏しい、とおっしゃっていますが、この時期にでてくるものというとどんなものがあるでしょうか。

芝:アーモンドの未熟果であるチャガレなんかでしょうかね。

中:あとは、お正月の果物によく出されますが、キウイフルーツもこの時期一気に出てきますよね。お正月のおもてなしの果物というとほかには何があるでしょうか。

芝:うーん。

中:オレンジや、リンゴ、後イランではきゅうりも欠かせません。そしてチリ産のブドウなどでしょうか。

 

テヘランにおける赤いチューリップ

 

●リスナーより

 金曜広場では赤いチューリップが殉教のシンボルとされているのを知りました。皮肉なことに、日本ではチューリップはニヤけた男(プレイボーイやドンファン)の代名詞のように使われています。チューリップは花(鼻)の下が長いからです。

 

●ラジオより

中:日本でチューリップがドンファンの代名詞とは初めて聞きました。チューリップというと私の世代ではオランダを思い起こさせるもので、長崎の、古くはオランダ村、今ではハウステンボスですか、そこのシンボルのようになっていますが、だいたい、チューリップというと女の子が好きな花ですよね。

芝:そうですよね。テヘランでは、赤や黄色のチューリップがよく見られます。 

中:イランでも殉教者の花として有名なチューリップですが、必ずしもお墓に供えられるだけというわけではなくて、町中の花壇にも植えられていますし、花束にして人に贈ったりもしますよね。

芝:チューリップは、アフガニスタン、トルコ、イラン、イタリアからスペイン、北アフリカや地中海沿岸に自生する植物だそうです。イスラム諸国、それも特にイランとトルコでは、チューリップは特に大切にされていて、イランでは19種類が報告されているそうです。そんなに種類があるんですね。

中村さんがおっしゃったように、チューリップの球根や花の栽培が世界で最も多い国は、オランダだそうですが、イラン、アフガニスタン、トルコ、オランダ、ハンガリー、ベルギーで、チューリップは国の花、国花に指定されているそうです。この数を見ると、とても人気のある花だと言えるのではないでしょうか。

中:そうですね。見た目が華やかで色も鮮やかですものね。

 

 

リスナーより 

  自動車業界もこれからは電気自動車の世になります。イランでの開発も激しくなるでしょう。お互い発展していくことを希望いたします。

ラジオより

中:日本にたまに里帰りすると、ハイブリッド車が増えていて驚きますね。こういった車は音がとにかく静かなので、かえって危なくて、人工的に音をつけると言うことを聞いてまた、驚きました。さて、イランでは次世代の自動車、なかなか広まりませんね。

芝:確かにそうですよね。テヘランでは未だに古い車もちらほら見かけますが、日本に帰ると、車の走行音が静かだなーと感じます。それで後ろから車が近づいてきていることに気づかないこともあります。

中:ハイブリッド車というとトヨタのプリウスが有名でこれはイランでも時々見かけるのですが、できれば国産のお手頃価格のハイブリッド車が出てくれるといいんですけれどね。

芝:そうですね。自動車と言えば、日本では自動運転の実用化が進められていると聞いています。先日はトヨタ自動車が、2020年代前半に一般道での自動運転技術を実用化すると発表しました。2020年には東京オリンピックがありますから、政府がそのときまでに自動運転を実現させたがっている、と言われています。本当に実現したらすごいことですよね。そしてイランに導入されるのはいつのことになるのやら。

中:本当ですね。完全自動運転とはいかなくてもいまでは車間距離があまりに縮まると自動的にブレーキがかかったり、蛇行運転するとアラームが鳴ったりする自動車がありますね。ただ、イランでは渋滞が激しいのとかなりくっついて運転する人が多いので、車も困ってしまうかもしれません。それよりは早く電気自動車が普及してくれれば、テヘランの空気もきれいになるんですけれど。芝田アナではありませんが、いつになることやら。まあ、イランも技術が発展しているようですから、今後に期待しましょう。

 

リスナーより 

 ラジオ日本語スタッフの皆さんは、IRIB外国語放送セクションやIRIB内のさまざまな部門から「この日本語をペルシア語に訳して」といった依頼を受けることはありますか。

 

ラジオより 

中:翻訳のことは芝田さんに聞いたほうがいいですね。

芝:時折、いろいろなものが持ち込まれますよね。

たとえば、電化製品の説明書とか。これが一番困るのですが、日本の電化製品が品質がよいからと言って、日本にいる知り合いのイラン人などから、電話、ファックス、アイロン、大きなものでは冷蔵庫や掃除機、洗濯機を送ってもらったり、譲ってもらったりしたのに、使い方がさっぱりわからない、という話が一年に一度くらい、舞い込んできます。

中:家電品は大変ですよね。説明が一言で済まないし、取説一冊を翻訳してくれなどと言われると本当に困ります。ラジオ以外で、頼まれることはありますか?

芝:以前に面白かったのは、中国人の友達ができたというイラン人の女性から、その中国人の手紙を訳してほしいと言われました。私は中国語はさっぱりなので、手紙を示されても、それが中国語であることしか分からなかったのですが、そのカードにある挿絵はどんな意味があるのか知っているかとか、中国語と日本語は同じじゃないのかとか、なんとなくでいいからどんな意味の内容が書かれているのか教えてくれとか、言われました。でも本当にぜんぜんわからなくて困ったことがあります。この中国語や韓国語を持ち込まれる、ということも、意外に結構多い気がします。言語が近くて多少は理解できる、と思われているんでしょうね。

中:顔が同じだから言葉も同じに見えるんでしょうか。そういえばラジオでも時々、外国語放送の入り口に歓迎のポスターと言いますか、バナーを貼ることがあって、それに各国語で「歓迎」の文字を入れたり、ノウルーズのお祝いの言葉を入れたり、去年の年末はダリー語でしたっけ?そこのラジオから各国語でお祝いの言葉を放送したいからと、日本語とペルシア語で収録したこともありましたよね。