ノーザンパイク(キタカワカマス)
今回は、ノーザンパイクについてご紹介することにいたしましょう。
カスピ海に生息する魚の1つに、ノーザンパイクがいます。この魚は、キタカワカマスとも呼ばれ、世界のほかの海域にも生息し、世界的には絶滅の危険は少ないとされていますが、カスピ海に生息するノーザンパイクについては、保護が必要と言われています。
ノーザンパイクは、水の流れの少ない湿原や、河川や湖沼などに生息しています(ウィキペディアによる)が、非常に気性が荒く、釣り針にかかると激しく暴れ、性質がサメに似ていることから、淡水ザメというに相応しいものです。また、この魚は釣りを趣味とする人々の間で非常に人気があります。
キタカワカマスは胴体が細長く、口が尖っており、他の多くの肉食の魚と同様に、鋸の歯のような鋭く細い歯を持っています。体の色は褐色で、白みがかった斑点が沢山見られます。背びれと尻びれは体の比較的後ろにあり、胸ビレは小さく、船のオールのように対になっています。
世界のほかの水域に生息するノーザンパイクには、体長がおよそ1.5メートルに達するものも見られますが、カスピ海に見られるこの種の魚の大きさは35センチから40センチほどで、体重は最も重いものでも1キログラムとされています。また、カスピ海に生息するノーザンパイクの寿命は1年から8年といわれています。
ノーザンパイクは、他の魚や生物を襲い、捕食し、)水がきれいでミズゴケの多く生えている場所で、獲物を求めて泳ぎ回ります。この魚は、時にはカエルやカニ、水面を泳いでいる水鳥などを捕食することもあれば、共食いをすることもあります。魚の種類が限られている一部の湖では、ノーザンパイクの稚魚は無脊椎動物を、また成熟したノーザンパイクは他の仲間を捕食します。
ノーザンパイクは、1年に1回産卵します。この魚の産卵に適切とされる条件は、毎年2月の半ばから4月の初めごろ、水温が摂氏8℃から14℃に達しており、十分な水中植物があることです。ノーザンパイクはこの時期に、川岸や沼などに移動し、1日をかけて産卵をすることがほとんどです。また、オスとメスが1匹ずつのつがいで行動することもあれば、1匹の大型のオスに、1匹または2匹の小型のオス(メス?)という組み合わせも見られます。
ノーザンパイクの産卵のプロセスは、数時間から時には数日かかることもあります。(次の一文混同を避けるため削除)ノーザンパイクは、自分が産んだ卵や孵化した稚魚を守ることはありません。このため、ノーザンパイクの卵や仔魚(しぎょ)の多くは、そのほかの魚や虫、野鳥や水生哺乳動物に食べられてしまいます。これらの難を逃れた幸運な卵や仔魚だけが、およそ34日後に体重がおよそ190マイクログラムの稚魚となります。
ノーザンパイクは、産卵期以外には他の水域に移動することはほとんどありませんが、長距離を回遊する能力も持っています。また、単独で生活することが多く、自分の縄張りに強く執着しています。また、人になつくことはなく、人が手づからエサを与えても受け付けることはありません。
カスピ海南部の地域の地元民や漁民は、近年においてこの湖に生息するノーザンパイクの個体数が激減しており、残存数もごくわずかであると考えています。水産学の研究者は、その理由として、カスピ海の汚染とこの魚の生息場所の破壊を揚げています。その最も重要な要因となっているのは、水銀やカドミウム、農薬などを含んだ産業排水による水域の汚染です。
専門家の見解では、ノーザンパイクは現時点では絶滅が危惧される生物には含まれていないものの、様々な問題が存在することから、イランでは特別な保護措置を必要とする魚に指定されています。