4月 14, 2018 21:06 Asia/Tokyo
  • インターネットが家庭に及ぼす影響
    インターネットが家庭に及ぼす影響

今回、前回の続きとしてインターネットによるバーチャル空間が家庭に及ぼす影響について考えることにいたしましょう。

前回は、バーチャル空間が家庭に及ぼす影響について考え、インターネットが私たちの生活環境に登場して以来、現在までその多大なメリットもさることながら、各家庭に懸念材料をもたらしてきたことについてお話しました。そうした懸念材料として、一部のユーザーがネット中毒や社会的な孤立状態に陥っていること、また親子間の侵されざる領域が失われていることなどが挙げられます。今夜も、前回の続きとしてインターネットによるバーチャル空間が家庭に及ぼす影響について考えることにいたしましょう。

 

インターネットによる広告や宣伝は、テレビによるコマーシャルなどと同様に家庭に影響を与えます。これらの宣伝は多くの場合、現実にはそれほど必要のないニーズを家庭にもたらしています。その結果、差し迫った必要のない商品が急速に台頭し、その使用が広まることになります。

 

これらのサイトでは、見た目の華やかな装飾や豪華な住宅、美しい風景といった様々な画像を利用し、また特に女性を悪用して商品の利用を宣伝していることから、一般大衆の興味関心がこうした宣伝に惹かれることになります。このように見た目が華やかで、表面上魅惑的な要素はまず、サイトの閲覧者の目を惹きます。それにより、次の段階ではモラルに反する概念や文化を家庭に刷り込みやすくなる下地ができます。さらに、家庭に基本的に必要とされる物資の購入に使われるべき家庭の収入の多くが、ぜいたく品の購入に充てられるようになります。

インターネットが家庭に及ぼす影響

 

言うまでもなく、ネットサイトにおける宣伝は、資本家の利益を視野に入れています。ネットサイトで宣伝されている商品の利用が拡大することで、大量の利益が資本家のポケットに流入することになります。西洋のある研究者は、これについて次のように述べています。

 

「大手のメディア企業の幹部グループは、わずか118人しかおらず、しかもこれらの人々だけで国内、そして国際的に重要な288の企業を運営している。興味深いのは、アメリカのNBCテレビや新聞・ワシントンポストといったメディア企業の幹部らが、コカコーラの運営を担っていることである」

インターネットが家庭に及ぼす影響

 

インターネットのもう1つの利用例として、チャットなどのネットによる会話が挙げられます。これらの機能は、使い方を誤った場合、家庭に破壊的な悪影響をもたらします。チャットの利用は、多くの場合において好ましくない人間関係の発生につながっています。チャットによる悪影響として、性に関する内容をあからさまに表現した卑猥なメッセージの発信、モラル面での逸脱、貞節を守っている配偶者への背信行為や打撃、プライベートな内容の暴露、他人の信条への侮辱、みだらな行動、節操の欠如、破廉恥な言動の増加、そしてこれらの原因による家庭やモラルの基盤の弱体化などが指摘できます。

インターネット

 

今や、若い女性や未成年の女子を初めとする全ての人々が、チャットルームからの誘惑や、援助交際などモラルに反する誘いにさらされています。一部の人々は、チャットルームの中で生活のパートナーや配偶者を探していますが、彼らはこうしたバーチャル空間が非現実的な特徴を有していることには気づいていないのです。

 

これまでに、多くの人々がチャットルームで自分に相応しい相手を見つけ、その人との結婚を求める中で詐欺に引っかかり、悪用される憂き目にあっています。社会問題の専門家の見解では、チャットルームで知り合っての結婚は、最終的には長続きしないと考えられています。インターネットで知り合っての結婚の成功例は非常に少なく、配偶者を見つける好ましい手段として、チャットルームを全ての人々に勧めることは出来ません。

 

現在、ヤフーやグーグルなどの検索サイトは、定期的にチャット機能や友人、パートナー探しに関するサイトの充実化をはかっています。これらのサイトにおいて画像機能が進歩していることからも、モニター画面に小さなカメラを取り付けることで、ネットの画面越しに相手と対面して会話ができるようになっています。チャットルームでのこうしたコミュニケーションにより、バーチャル空間の友人という新たな交友関係のパターンが出現しています。これはネット恋愛として知られるとともに、健全な結婚や本当に絆の強い家庭の成立にとっての大きな障壁となっています。こうしたネット上の付き合いの多くは、結婚には至らず、しかも特に未成年の女子を初めとする多くの人々の精神状態に打撃を与えます。

 

さらに、チャットの一部においては、多くの人々が内容的に低俗なサイトや利潤を追求する人々の目的に気づかないまま、自分の家族などプライベートな写真をサイトに掲載し、その結果自らが悪用される憂き目に遭遇しています。こうした事例では、家族のメンバーにとって忌まわしい出来事が起こることが多く、しかもそれによる弊害は大抵、取り返しのつかないものとなります。

インターネット

 

低俗な内容のネットサイトによる最も重要な影響は、モラルに対する影響、そして正式な結婚以外の場での性的行為が一般化してしまうことです。アメリカの研究者パトリシア・ウェルチ氏が行った研究によりますと、アメリカの各州におけるわいせつな内容のサイトの利用や、この類の雑誌の販売量が、それぞれの州における性的暴力の件数に関係しているということです。実際に、サイト上では締りのない性的関係がもはや当たり前のものとして提示されています。結婚している夫婦がこうしたサイトをしばらく利用した後には、態度が変化し、関係が冷却化するとともに、知らず知らずのうちに互いに距離を置くようになるということです。現代の西洋社会でこうした事例が増えていることから、西洋の家庭は崩壊に瀕しています。

インターネットが家庭に及ぼす影響

 

いずれの社会においても、ある技術の一般利用においては、その社会の規範や慣例への適応や、そうした技術の利用という文化を形成する必要があることは言うまでもありません。ネットなどのこうした先進技術も、精神や文化、社会的なインフラの受け入れ態勢が整わないまま一部の社会に出現しています。このため、メディアや教育機関が、特に若い世代を初めとする一般家庭にこの種の先進技術の正しい使用法を教育する必要があります。実際に、こうしたバーチャルネット空間は、その社会における発展の手段と見なされて初めて、正しく使用されうるものなのです。

 

今や、家庭の基盤を維持するには、政治家や社会、そして特に夫婦を初めとする家族のメンバーが、ネットサイトの使用をより厳密に管理する必要があると思われます。各ウェブサイトを管理することで、家庭の基盤の揺らぎや崩壊を阻止でき、家庭に安らぎや安全がもたらされることが予測できます。