4月 22, 2019 15:28 Asia/Tokyo

コーラン 第31章ルクマーン章 ログマーン 第17節~第19節

                                                                                慈悲深く、慈愛あまねき、アッラーの御名において

17節

「息子よ、礼拝を行い、[人々に]善い行いを勧め、悪を禁じなさい。また、あなたに降りかかることを耐え忍びなさい。これは様々な行いにおける強い意志に必要なことである」(32:17)

 (17)يَا بُنَيَّ أَقِمِ الصَّلَاةَ وَأْمُرْ بِالْمَعْرُوفِ وَانْهَ عَنِ الْمُنْكَرِ وَاصْبِرْ عَلَى مَا أَصَابَكَ إِنَّ ذَلِكَ مِنْ عَزْمِ الْأُمُورِ

 

これまでの番組の中で、賢者ログマーンの息子に対する一部の忠告を見てきました。信条の基盤が強調された後、この節では、ログマーンが、礼拝や社会に関する最も重要な問題に触れ、息子にこのように語っています。「唯一神信仰を受け入れた後、あなたの最初の責務は、世界の神を崇拝することで、それは礼拝という形によって行われる。礼拝は、あなたを神と結びつけ、信仰心を強化する」

 

とはいえ、礼拝だけでは十分ではありません。自分のことだけを考えるのではなく、他人に対しても、この行いを含めた善い行いを勧め、社会に善が広まるようにすべきです。また、悪と闘い、醜い事柄が、社会に広まるのを防がなくてはなりません。社会活動に参加すること、善を広めるために努力すること、悪が拡大するのを防ぐことは、多くの困難を伴うものです。なぜなら、悪を行う人々は、可能な限り、真理に反対しようとするからです。しかし、敬虔な人間は、さまざまな問題に直面した際、それに立ち向かい、努力が報われるまで、力強く真理の道を歩み続けなければなりません。

 

17節の教え

  • 宗教的な目的を遂げるための強い意志は、神への信仰に必要なものです。それがなければ、いかなる行いも実を結びません。
  • 子供に礼拝を勧めることは、両親の子供に対する責務のひとつです。
  • 子供をしつける際には、さまざまな社会問題に対する責任感を持たせ、社会の醜い行い、美しい行いに関心を持たせるようにしましょう。

 

18節

「また、自分の顔を[高慢さによって]人々から背けてはならない。地上を横柄な態度で歩いてはならない。まことに神は、うぬぼれた高慢な人間を愛されない」(32:18)

(18)وَلَا تُصَعِّرْ خَدَّكَ لِلنَّاسِ وَلَا تَمْشِ فِي الْأَرْضِ مَرَحًا إِنَّ اللَّهَ لَا يُحِبُّ كُلَّ مُخْتَالٍ فَخُورٍ

 

この節で、賢者ログマーンは、一部の醜い行いに触れ、息子にそれらを禁じています。この節では、そのような誤った行動の2つの例が指摘されています。ひとつは、他人を見下し、ないがしろにすることです。一部の人は、名声や富、権力によって、そのような勘違いに陥ります。彼らは本質的に、自分は他人よりも優れていると考えるのです。

 

ログマーンが指摘する2つ目の例は、人々の間での歩き方です。一部の人は、謙虚ではなく、まるで全ての人の主人であるかのような横柄な態度で道を歩きます。

 

18節の教え

  • 人々に柔和な態度で接することは、賢者ログマーンが息子に勧めていることのひとつです。神は、このような忠告によって、実際、全ての人に、このような好ましい行いを勧めています。
  • 親は子供が幼いうちから、高慢さなどの道徳的な病に陥らないよう、子供を教育する必要があります。

 

19節

「歩く際には穏やかに歩き、声を落としなさい。明らかに、最もわずらわしい音とは、ロバの鳴き声である」(32:19)

(19)وَاقْصِدْ فِي مَشْيِكَ وَاغْضُضْ مِنْ صَوْتِكَ إِنَّ أَنْكَرَ الْأَصْوَاتِ لَصَوْتُ الْحَمِيرِ

 

ログマーンは、息子に対して道徳的に醜い2つの行いから遠ざかるようにとした後、この節の中で、2つの道徳的に美しい行為を勧め、次のように語っています。「人生においては中庸を守りなさい。人生という街道において、節度を超えてはならない。頑張りすぎたり、怠けすぎたりしてはいけない。速すぎても遅すぎてもいけない。自然かつ穏やかに歩きなさい」

また行動だけでなく、言葉においても中庸を守る必要があります。ログマーンは次のように語っています。「他人に聞こえないように、小さすぎる声で話してもならないし、他人に苦痛を与えるような、大きすぎる声で話してもならない。人々があなたの大きな声を気に入り、そのためにあなたの言葉を受け入れると考えるべきではない。人々にとって、ロバの鳴き声は醜く耳障りな声である。なぜなら、自然の域を超えているからだ」

 

19節の教え

  • 両親が子供に教えるべき事柄のひとつは、歩き方や話し方において、社会的な礼儀を守ることです。
  • 過激にならず、中庸を守ることは、神がコーランの中で推奨している事柄です。
  • 大声を上げることは、神から非難される好ましくない行いです。声を落とし、無意味なさけび声を避け、穏やかな声で話しをする必要があります。