12月 03, 2021 07:13 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語のことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介するのは、「スープよりも熱い器」です。

ペルシャ語での読み方は、Kaase daagh-tar az aashとなります。

この表現で扱われているのは、実際には日本でいう汁物やお吸い物を入れるお碗のような器をもう少し大きくしたような器、そしてスープと言うよりは豆類や野菜、小麦粉の麺を一緒に煮込んだごった煮のような料理を指しており、ラマザーン月の定番メニューの1つでもあるとともに、宗教的な行事や記念日などに、人々が願掛けのために作って一般向けに配られることが多くなっています。

なお、この慣用表現の由来については複数の説がありますが、そのうちの1つは、ガージャール朝のナーセロッディーンシャーの時代の王宮での習慣だとされています。

すなわち、毎年春のある日にテヘラン南部のある村にて、王宮が主催するスープ作りの行事が実施され、この日ばかりは出席した王宮関係者や位の高い人々が手ずから野菜や豆などの材料をふんだんに使ったごった煮スープを作っていました。

この際には面白い習慣があり、このスープをいただく際には、階級によって食卓の席順が決まっており、しかも食べた後にはスープの入っていた器に、食べた分だけ金貨を入れなければならないという規則がありました。つまり、沢山食べた人は沢山金貨を入れなければなりません。そこで出席者はみんな他の人がどのくらい金貨を入れたかを知りたがり、つまりお目当てのスープよりも、また自分の食べた器よりもほかの人の器の中の金貨の数をめぐって興奮し、議論が白熱したということです。

このことから、お目当てのものよりもそれに付随した脇役的なものをめぐり、また中のスープよりもそれを食べる人たちのほうが熱くなっている、ということからこの表現は、ある問題の当事者以上にその問題に注目し、躍起になっている人や状態を指すようになりました。

慣用表現1つにも、こうした歴史的背景が垣間見られることはとても面白いですね。今後も、こうした表現を随時ご紹介してまいります。どうぞ、お楽しみに。

 

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