ペルシャ語ことわざ散歩(67)「手のひらを広げたくらいの油の乗ったスープを作る」
皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「手のひらを広げたくらいの油の乗ったスープを作る」です。
ペルシャ語での読み方は、Aashii mi-pazam ke yek vajab roughan ruuyesh baashadとなります。
この表現は通常、「誰かのために」というフレーズが加えられることが多く、全体として「誰かをひどい目に合わせる、陰謀や策略を仕組む」という意味で使われ、日本語に出てくる「一杯食わせる」に類似しているかと思われます。
さらに、この慣用句の由来は、ガージャール朝イランのナーセロッディーンシャーの時代に宮廷で行われた、イラン式ごった煮スープ作りのイベントから来ています。
当時宮廷でこのイベントが行われた際、出来上がったスープを配るのに様々な大きさの器が使われていましたが、中には沢山の量のスープを希望する人がいました。そうした場合、大きな器にスープを盛り付けた上に油をかけて全体の量を増やしたということです。
表面に沢山の油の乗ったスープや食事は健康上好ましくなく、食べられないことは、既に皆様もお気づきかと思います。このことから転じて、「手のひらを広げた位の、沢山の油の乗ったスープを作る」ことが策略や陰謀を仕組む、誰かをひどい目に合わせるという意味で、使われるようになったということです。
今回も、宮廷時代のイランの歴史にまつわる表現をご紹介しました。次回もどうぞ、お楽しみに。
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