9月 05, 2020 01:47 Asia/Tokyo
  • 先進情報技術の時代
    先進情報技術の時代

現代世界では、日々(インターネットやスマートフォンなどの)先進技術が発展していることから、人々の生活や社会体制に大きな変化が生じています。こうした技術は、特に情報通信やメディアの分野で、新たな扉を開いており、人間の個人的、社会的な生活の様々な側面に影響を及ぼしています。

先進技術は、肯定的で有益な側面を持つものですが、その一方でその利用方法によっては、マイナスの結果をもたらす可能性もあります。今夜から始まるこの新番組では、こうした先進技術が人間や社会に及ぼす様々な影響について考えていくことにしましょう。

 

原始社会から先進情報技術の時代への移行

 

人間同士の間におけるニュースや情報、思想の交換は、社会的な生活に欠かせないものです。人々の集団の規模が小さく、限られていた原始社会では、情報や思想をやり取りする手段は言葉や口頭表現のみでした。しかし、文化や社会の発展に伴い、情報コミュニケーション技術も進歩し、情報や思想を迅速に伝達するための新たな可能性や生活様式が世界の人々の間に広まっています。多くの科学者は、情報伝達や人間の思想の交換におけるこうした手段の優れた役割に注目し、現代をコミュニケーションの時代と呼んでいます。

 

情報化社会への移行は、農業社会から工業社会への過渡期と同様に、人間の生活の全ての側面に影響を及ぼし、政治、社会、経済、文化の分野に大量のチャンスと根本的な問題をもたらしています。21世紀において、人類は情報技術化の新しい時代に突入しており、急速に人間の社会生活を変貌させています。

 

先進技術の特徴とそれによる人々の生活の変化

 

情報通信手段は、中性的、中立的な現象ではなく、工業技術の新たな手段や技術の中でも最も大きな影響を人間に与え、新たな時代をもたらすものです。多くの社会学者は、マス・メディアが社会全体に目覚しい影響を及ぼしていることを認めています。こうした影響のは、政治、経済、美学、精神、モラル、民族、社会といった様々な点で効力があり、人間の肉体と精神の隅々にまで隈なく影響を及ぼしています。そして、最終的にメディアは地球村という新たな概念の出現、人間の行動や性格の変化、外国人と隣り合うことにおいて、大きな役割を果たしているのです。

 

技術分野にコンピュータが入ってきたことにより、人々の生活はさらに大きく変化しました。世界は、21世紀に入った現在、コンピュータ通信の影響の下で新たな様相を帯びています。社会がネットワーク化したことで、包括性や複雑さ、技術ネットワーク化の傾向は教育の分野にも及んでいます。情報通信面での技術革命は、教育、経済、文化の領域での変革を引き起こしており、人々に新たな世界をもたらしています。現在、情報とコミュニケーションは2大要素とされ、人類はこれまで以上に情報の獲得と、そのための通信コミュニケーションを必要としているのです。

 

 

 

一方で、あらゆる情報技術は社会の基盤と全ての側面に大きな変化を引き起こすものです。現代の発明品の2つの代表例として、電話とテレビが挙げられますは、これらは人々の生活に明白な役割を果たしています。これらの発明品の存在は、もはや当たり前のものとなり、生活環境に存在すべき当然の要素となっています。さらに、もう1つの発明はコンピュータであり、特にインターネットという国際的な通信ネットワークが、機能の継続に重要であることから、多くの可能性を有しています。実際に、インターネットは新たな現象として、人々の生活からもはや切り離すことの出来ないものとなっています。

 

情報通信技術の発展は、人々の暮らしの大きな部分を占めています。人間の生活の個人的、社会的な生活の様々な場面において、情報通信技術の出現により根本的な変化が生じたことは、決して無視できません。これについて、スペインの社会学者マヌエル・カステルズは、次のように述べています。

 

「文化の伝播はコミュニケーションを通じて行なわれることから、信条や行動様式から生じるシステムを含み、歴史の産物としての文化の領域は、新しい技術の出現により根底から変化する。通信技術が入ってきたことは、人間同士の関係やコミュニケーションの構造に根本的な変化を引き起こしている」

 

 

 

一方で、生活様式は、現代化した世界の特徴の1つとされる現象であり、当然ながら文化的な産物や新興メディアの影響の下で、社会的な習慣に従う人々が自らの趣向や価値観により形成するものです。こうした趣向や価値観は、その人の行動に現れ、最終的にはその人の生活様式の形成につながります。新しい情報技術という概念や生活様式はいずれも、新しい概念であり、その特徴や社会への影響の度合いを見極めるには、より多く時間をかけて調査する必要があり、またそれぞれの社会において異なっています。

 

人間関係にも影響を及ぼす先進技術

 

私達は現在、電子工学や通信技術とつながりがあり、情報を基盤とした「地球村」に暮らしています。言い換えれば、私達は情報の時代に生活しており、生きていくために通信メディアや情報技術に依存しているのです。今日では、これまで以上に競争力、経済や自由の面での幸福が、一国の国民の成功の度合いを測るための国際的な基準となっており、こうした成功を収めるための決定的な要素の1つは、技術の獲得に加えて、目的に合わせてそれらを利用するための知識とされています。言うまでもなく、情報技術は全世界において、よかれ悪しかれ人間関係を大きく変化させています。

 

情報の時代は、大都市から最も遠く離れた村の人々の生活にも変化をもたらしています。電気や電話、テレビ、ラジオといった新しい生活必需品の一部を手に入れたことから、こうしたへき地に住む人々は知らず知らずのうちに、地球村に相応しいメンバーと化しているのです。こうした地球村では、電子メディアや出版物により、音声や画像が心理戦やプロパガンダ戦争の強力な手段として機能し、そこに住む人々はある意味で否応なしに、世界各地の人々の抱える問題や要望、場所や思想、行動に関する様々な情報を得ることになります。さらに、読み書きの能力の獲得や、コンピュータの入手、そしてインターネットによる国際的なネットワークとつながることで、彼らも国際社会における単なる傍観者ではなく、直接的な参加者となり、世界の何億人もの人々と交流することになるのです。

 

情報の高速化と大量化

 

明らかに、これまでの時代を通して、現代ほど情報の流通が迅速で大規模だった時代はありませんでした。このため、現代の最も重要な特徴として、情報の特別な重要性とその拡大、迅速化を挙げることができ、また現代は情報の爆発の時代とされています。現実に、いたるところにいつでも、大量の情報が広範囲に存在していることは驚くべきことです。現在、私達は世界のどこにいても、1つの電話番号のみで、世界中にいる人々と直接連絡がとれ、またニュースサイトを閲覧することで世界のニュースを把握し、自分にとって最も遠い国で起こった出来事の全てを知ることができるのです。

 

現在、情報通信の拡大のもと、情報は特定の場所のみにおいて得られるのみならず、家庭内や密室にも浸透しています。私達の身の周りに飛び交う光や電波は、情報やメッセージを運んでおり、それは世界の全ての場所に及んでいます。

 

マス・メディアの功罪

 

マス・メディアにより、人々は急速に政治、軍事、経済、社会、学術、芸術などに関する出来事や問題をキャッチします。メディアによるニュースに加えて、マス・メディアは事件や出来事の解釈を通して、世論に方向性を持たせ、彼らを好ましい決定へと仕向けます。各種のメディアはまた、各国の国民の宗教的、文化的な発展にも貢献し、彼らの精神的な成長をも促すことが出来るのです。

 

しかし、これはあくまでもメディアの一面に過ぎません。マスメディアは一方で、危険で弊害をもたらす側面をも有しており、人々に貢献し、価値観やシンボル、国民的、宗教的な習慣の伝播、統治に大きな役割を果たすことができると同時に、非常に危険なものです。即ち、社会や人々を犯罪や腐敗に陥れ、外国の文化を広めることでその国独自の価値観や習慣、宗教を脇に押しやり、外国の価値観やシンボルを台頭させてしまう可能性があります。言い換えれば、情報マスメディアの役割としては、文化形成や、独自の国民的、宗教的な文化を定着させること、或いは自国の独自の文化を消滅させ、外国の文化を定着させることのいずれもありうるのです。

 

実際に、この新しい情報ツール、そして科学技術面での新しいプロセスは、人々の生活全体を包囲しており、人類の誇りです。一方で、もう少し奥深い捉え方をすれば、このツールが国民的な文化に貢献する手段とならなければ、人間や社会に対し警鐘を鳴らし、未来にとっての脅威になると言えるでしょう。

 

 

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