3月 04, 2022 06:36 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介するのは、「5本の指は兄弟ではあるが、一様ではない」です。

ペルシャ語での読み方は、Panj angosht baraadarand,baraabar nistandとなります。ちなみに、ペルシャ語では兄弟をバラーダル、平等であることをバラーバルと表現します。発音が似ていますね。

このことわざは、日本語で言う「十人十色」に相当し、人間は1つの家族のようなものではあるが、5本の指のついている位置や長さがそれぞれ違うように、それぞれ特徴があり決して同じではない、ということを意味しています。身長などの体格、また肌の色や目の色、性格やものの考え方など、1人としてすべての面で同じ人は世界には存在せず、それぞれ異なっています。

またこのことわざは特に、誰かに酷いことをされて人間不信に陥ってしまったり、世間一般についてマイナス思考を抱くようになってしまった人などに対し、「皆が皆悪い人ではない」といった意味で使われることもあるようです。

昨今では、インターネットなどの先進技術により人々、そして国境を越えての交流がしやすくなり、グローバル化、国際化が叫ばれ、同じ国や地域の出身の人同士ではなく、別の地域や国から来た人同士が隣り合わせになることも決して珍しくありません。まさにこのことわざが示しているように、人はそれぞれ異なり、考え方も感じ方も価値観も異なっていることを知った上で、互いの違いや多様な価値観を認め合い、共存していく姿勢が求められていくのではないでしょうか。それではまた。

 


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