ラマザーンへのいざない(4)心身にとって大きな断食の利点
(last modified Wed, 15 May 2019 19:30:00 GMT )
May 16, 2019 04:30 Asia/Tokyo
  • 断食月
    断食月

ラマザーン月は、断食を行う月であり、日の出のアザーンから日没のアザーンの間に飲食を控えることで、宗教的な義務を実施します。

その人は、断食を行うことで、創造主である神への服従を述べるとともに、断食による精神的、身体的な恩恵を授かることになります。断食は、心身にとって大きな利点があります。

飲食を控えることは、イスラムだけでなく、他の宗教でも広く行われている行為です。これらの宗教はすべて、この行為が身体と精神に良い影響をもたらすという点で見解が一致しています。たとえば、インドの修行者であるサドゥーは、断食は精神を清め、意志を強くし、忍耐力を強める上で非常に効果があるとしています。また、本質に沿って行動する神秘主義者も、「英知の光が見られるよう、断食を行いなさい」と語っています。

 

イスラムでも、空腹感は英知を獲得する上で重要な行為だとしています。断食を行うことは、いわば忍耐の訓練であり、自身の欲求にこたえないことで、拡張する欲望を自制することになります。

しかし、断食は、欲望を自制し、英知を身につける準備を整えるとともに、身体的な健康にも多くの利点があります。医学の専門家は、ラマザーン月の断食を正しく行えば、からだのデトックスになり、血糖値を低下させ、血中の脂肪分を減らすと語っています。また、医学者は、消化器官も、11ヶ月間休みなく働けば、1ヶ月は休養が必要だと考えています。

イスラム教徒、そして非イスラム教徒の昔の医学者の書物には、断食の医学的な利点について数多く記されています。彼らは、断食を行うよりも健康的な薬は見当たらないという結論に達したのです。また、イスラムの預言者ムハンマドも、胃はすべての痛みの元であり、飲食を控えることはすべての薬よりも効果があると語っていました。

 

 

また、賢者らは、70を超える種類の病気は、食べすぎ、あるいは水分の取りすぎによるものだと語っています。これらは食べるのを控えること、特に断食により防がれることになります。

また、現代の医学者も、断食による効果に関して説明しています。ノーベル医学賞を受賞したアレクシス・カレルは、次のように語っています。

「すべての宗教で、断食の必要性が強調されている。断食の中で、はじめは空腹感やしばしば感情の変化を感じるが、これにより、体の新陳代謝が良くなり、体の中がきれいになる」

 

カレル博士はまた、次のように語っています。

「断食により、肝臓の血糖値が低下し、皮下脂肪や筋肉のたんぱく質、肝細胞が解放され、栄養が消化されるようになる」

 

消化器官は、最も多く活動している人間の器官であり、他の器官と同じように、休むことが必要です。この休息が固定の食事プログラムに従うことで、1ヶ月間続くのであれば、その利益は否定できないものになります。

断食は、デトックスや、消化器官の休息の要因となります。アメリカのある医師は次のように記しています。

「病人は全員、1年に一定期間にわたって食事制限を行うべきだ。つまり食事が消化されるとき、細菌が繁殖しているが、もし食事を制限すれば、細菌は弱まる」

 

また、次のように語っています。

「イスラムの断食は、身体の健康を最大限保証する」

 

断食による食事のプログラムは、余分な脂肪分を解消し、悪玉コレステロールを減らします。また、循環器などの各機能や体の免疫システムを整えます。

興味深いのは、断食がイスラム教徒だけでなく、イスラム教徒以外にも支持されていることです。多くのヨーロッパの医師は、断食とその健康への効果について調べています。オーストリア人の医師は、次のように語っています。

「治療における空腹の効果は、薬よりも高い可能性がある」

また、ある医師は自分の患者に数日間、食事を取る事を禁じた後、軽い食事を与えています。

 

 

重要な医学的な研究成果の一つから、断食を行うことで、炎症を防ぐ物質やがん細胞を消滅する上で重要な役割を持つ物質が、通常よりも多くなることが明らかになっています。

通常の状態では、この種類の細菌はからだの中に数多く存在し、隠れた状態、あるいは半分だけ活動していますが、抵抗力が弱くなると、急激に活動します。しかし断食をすることで、これらの害を及ぼすものを消滅させる物質が増えます。実際に、断食をすることで、体全体が清められ、多くの病気を防ぐことになるというべきでしょう。

断食による治療は、病気の元となるものを消滅させることによります。おそらく、医者を含む多くの人が、断食はアンチエイジングに効果があると考えているのは、このためでしょう。

現在、技術の進歩と幅広い研究により、断食は総体的に、体の健康のために必要だということが証明されており、断食に関する信条を持っていない国であっても、医師は一部の患者の治療に、一定期間、朝から何も食べない食事制限を利用しています。彼らは、断食は体を休め、清めるることだと考えています。

病気のもとになる、血管などにおける体内の脂肪分を減らすこと、デトックス、または害を及ぼす細胞や組織を消滅させ、細胞の代謝を作り出し、消化器官に対する負荷を減らすことといった一連の作用は、断食による体の健康への重要な効果とすることができます。

医師や栄養学者は、断食の前後の食事がバランスよいさまざま栄養分を含むものになるとき、明確に断食の有用性を活用することができると強調しています。この期間、たくさん食べる必要はありません。医師は、断食前の食事は抜かすべきではなく、また、一日中のどの渇きを催すような油分の多い食事は控えるべきであり、一日の断食明けの食事も脂分の多い重い食事ではなく、ホットミルクやナツメヤシ数個を摂るべきだと考えています。

 

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