中国がペロシ氏に対し制裁、訪台を理由に

中国外務省が「悪意ある」「挑発的な」行為を理由とし、台湾を訪問したペロシ米下院議長と近親者への制裁を決定しました。

ロイター通信が5日金曜、北京から報じたところによりますと、中国外務省報道官は同日、「中国の深刻な懸念と断固たる反対にもかかわらず、ペロシ議長は台湾訪問を主張して中国の内政に深刻に介入し、中国の主権と領土の一体性を侵害、一つの中国政策を踏みにじり台湾海峡の平和と安定を脅かした」との声明を発表しています。

中国は米下院議長が副大統領に次いで米大統領継承順位２位の要職にあり、ペロシ氏の訪台は極めてセンシティブだと主張していました。

さらに、ペロシ氏の近親者も制裁対象となり、中国が制裁を発動する米当局者としてはペロシ氏が最も高位だということです。しかし、同氏に対する制裁の具体的内容は示していません。

同省はまた、軍上層部の対話を含む広範な分野で米国との協力を停止すると発表しました。

これについては、気候変動問題の協議、国境を越えた犯罪防止や不法移民の送還に関する協力など、８分野が対象となっています。

中国外務省は、これまでに「関連する対抗措置は強力かつ効果的で、アメリカと台湾独立勢力が実感し続けることになる」と強調し、あらゆる対抗措置を行う考えを示していました。

中国は、台湾を自らの不可分の領土の一部とみなしており、常に他国政府関係者による台湾訪問や直接交流を、「１つの中国」の原則に反するものだとしています。

ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。