米印が、中印国境の係争地付近で軍事演習実施へ
(last modified Sun, 07 Aug 2022 11:14:07 GMT )
8月 07, 2022 20:14 Asia/Tokyo
  • 米印が、中印国境の係争地付近で軍事演習実施へ
    米印が、中印国境の係争地付近で軍事演習実施へ

米印両軍は、今秋に中印国境の係争地に近いインドのウッターラーカンド州で合同軍事演習を開催する予定です。

中国国境近くのヒマラヤ山脈での米印合同演習は、両国間の年次演習の一部で、昨年は米アラスカ州で実施されました。しかし、一部の有識者はこれを、台湾海峡での最近の情勢下では緊張扇動行為だとみています。

最近多くの論争を巻き起こしているナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問の後、中国はこの地域での主権の強調を目的に大規模な演習を行っています。

米CNNによりますと、台湾をめぐる米中間の緊張が高まっているさなかに、インドと中国が山岳国境をめぐり対立・紛争を抱えている地域が米印軍事演習の場に選択されました。

インド軍のある関係者は6日土曜、今回の軍事演習が来たる10月半ばにインドのウッターラーカンド州アウリで行われるだろう、としました。

この町は、国境管理ラインから95kmの地点にあり、インドと中国を互いに隔てる完全に明白な国境です。しかし、両国はこの国境ラインの相手側領に対する自らの領有権を主張しています。

この国境線は事実上、1962年の中印戦争終結時以来、両国の国境となっています。

この国境線の延長戦における紛争は2020年、インドが領有権を主張する地域での道路建設に中国が抗議したことを受けて勃発しました。

インドは、この紛争で政府軍兵約 20 人の兵士が死亡したと発表し、中国も同国人民解放軍の兵士 4 人が死亡したと主張しています。. 米中関係も、特にナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問後、暗雲が立ち込めています。

インド外務省は去る5月、中国が両国の国境付近にあるパンゴン湖に2本目の橋を建設していると発表しました。

インド政府は、中国政府がこの湖を占拠しているとみています。

一方、中国側は米高官のインド訪問は「炎を燃え上がらせる」試みであると述べています。

中国はこの訪問に反応して大規模な軍事演習を行い、台湾からのいくつかの品目の輸入を停止し、ペロシ氏とその家族に制裁を課すとともに、いくつかの重要な分野での対米外交関係を断ち切りました。

一方で、米国防総省は、インド側とのパートナーシップを築くことは「自由で開かれたインド太平洋地域を構築する上で最も重要な要素の一つである」と述べています。

また、米軍とインド軍による演習は、地域の安全保障を確保するための「相互運用性」を高めることになると指摘しています。

インドを訪問中の米太平洋軍司令官チャールズ・フリン将軍は、インドとの国境付近での中国の軍拡は「憂慮すべきもの」で、「教訓となるもの」だと語りました。

 


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