韓国統一相が、北朝鮮に離散家族問題巡る会談を提案
韓国のクォン・ヨンセ統一相が、朝鮮戦争などで生き別れになった南北離散家族問題の解決に向けた会談を北朝鮮に提案する談話を発表しました。
韓国ヨンハプ通信がソウルから報じたところによりますと、クォン大臣は8日木曜、「離散家族という言葉自体がなくなる前に問題を解決しなければならない」として、「可能な全ての方法を活用し、迅速かつ根本的な対策を立てなければならない」と強調し、「過去のような少人数による1回限りの再会では不十分だ」と述べています。
また、「南北の責任のある当局者が早いうちに会って離散家族問題を含む人道的な事案を虚心坦懐に議論することを期待する」として、「会談の日時や場所、議題、形式なども北側の希望を積極的に考慮する」と呼びかけました。
そのうえで「北の当局がわれわれの提案に応じることを強く促したい」と語りました。
これについて、クォン氏は北朝鮮のリ・ソングォン党統一戦線部長に会談を提案する通知文を送る方針だということです。
また、北朝鮮が提案に応じない場合も「提案し続けていく」との考えを示しました。
現在、離散家族は高齢化で存命者が減っており、同問題の早期解決が求められています。
韓国政府がこの問題の解決に向けた南北当局の会談を提案した一方、韓国で離散家族再会を申請した人のうち約2500人が今年亡くなったことが、8日木曜に判明しました。
韓国政府の統計によりますと、今年8月時点の存命者は4万3746人で、2021年の4万7577人から大きく減少しました。
このうち、年齢別では90歳以上が1万2856人、80代が1万6179人、70代が8229人と、高齢者が大部分を占めています。
北朝鮮の最高指導者キム・ジョンウン総書記の妹で、同国政府内で大きな影響力を持つキム・ヨジョン氏は先月、韓国のユン・ソクヨル大統領が非核化と引き換えに北朝鮮に再び経済援助を申し出たことを受け、同大統領が自らの発言に注意する必要があると語りました。



