中ロ首脳が、ウクライナ危機後初の会談へ
中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が、ロシアによるウクライナでの特殊軍事作戦の開始後初の直接会談を行います。
近年、ロシアと中国は、他の西側に属さない諸国と同様に、相互間の緊密かつ全面的な協力を目指しています。
アメリカの国際情報サイト・ウォールストリートジャーナルが14日水曜、報じたところによりますと、ウクライナ戦争が続く中、両首脳は経済面での結束強化について話し合う見通しです。
習氏とプーチン氏は、ウズベキスタンで今月15~16日に開かれるSCO・上海協力機構首脳会議の場で直接会談する予定です。
今回の会談は、新型コロナウイルスの感染拡大後、習氏にとって初の外遊となり、中国政府がロシア政府との関係を重視し、米政府に対抗する意志があることを示す狙いがあります。
アナリストらの見解では、習氏はプーチン氏との関係で優位に立っている、とされていますが、これはロシアが西側諸国による制裁に対抗すべく、中国に一段の経済援助を求める可能性があることによります。
もっとも、中国とロシアは「対西側」という共通の戦略的利益が存在するため、両国間の連携関係が揺らぐことはないとみられています。
ロシアによるウクライナでの特殊軍事作戦開始直前の今年2月、両首脳は中国・北京で開かれた冬季オリンピックに合わせて会談し、両国のパートナーシップに「限界はない」と宣言する中ロ共同声明に署名しました。
ウクライナでの作戦開始後、ロシア政府は欧米諸国とその同盟国から経済制裁を科されてきました。
一方、中国政府は新型コロナウイルスの感染封じ込めを狙うゼロコロナ政策が国内経済の足かせとなり、景気減速に苦しんでいます。
このことから、それぞれ国内の問題を抱える中ロ両国が連携強化に向け、どのような歩みを進めるのかが注目されます。
中国の楊潔篪元外相は、同国とロシアが深い関係にあることを強調し、「わが国はロシアと協力して、国際態勢をより公正で論理的な道に導くことを望んでいる」と語りました。
アメリカの国際情報サイト・ブルームバーグによりますと、楊潔篪氏はアンドレイ・デニソフ中国駐在ロシア大使に対し、「わが国の習近平国家主席とプーチン・ロシア大統領の指導の下、両国の関係は常に正しい軌道に乗っており、双方は基本的利益に関連する問題で相互に強く支持し合っている」と述べました。
また、「中国としてロシアとの戦略的協力を強化し、共通の利益を守り、国際体制がより合理的かつ公正な方向に発展することを支持したい」と表明しています。