新たな地域体制:ユーラシア経済連合との協力にイランが果たす戦略的役割
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第4回イラン・ユーラシア戦略:貿易、外交、そして新たな地域体制
イランとユーラシア、貿易、外交、そして新たな地域体制」をテーマとする第4回戦略会合が、テヘランにあるIRIBイラン・イスラム共和国放送会議センターで開催されます。
この会合は正式には第4回イラン・ユーラシア戦略会合「貿易、外交、新たな地域秩序」という名称で22日水曜、テヘラン商工会議所の方針により開催されるものです。
政策立案者、民間活動家、輸出中心の組織、大手企業、学者、著名な専門家が出席するこの会合の主な目的は、イランとEAEUユーラシア経済連合加盟国間の自由貿易協定の実効的な側面を検討することにあります。
「貿易、外交、そして新たな地域体制」に焦点を当てたこの会合は、イランとEAEU加盟国との経済・政治的交流の道筋において重要かつ影響力ある出来事だと考えられています。
また、今回の会合で取り上げられるもう1つの議題として、鉄道、道路、海運、航空部門における運輸・物流協力の発展および、1億8000万人規模のEAEU市場へのアクセスに向け重要な基盤を提供してきたイラン・EAEU間自由貿易協定の正式な実施により生じる機会について説明することが挙げられます。
地域の輸送回廊を結ぶ上でイラン鉄道が重要な役割を果たしていることから、今回の会合は、同国の鉄道網の開発能力やプロジェクトの紹介、インフラプロジェクトへの投資や共同協力の誘致、専門的な輸出コンソーシアムの設立、EAEU加盟国の政策立案者や経済活動家との直接的な意見交換のための良好な機会にもなると見られています。
EAEUユーラシア経済連合は、ベラルーシ、カザフスタン、ロシア、キルギス、アルメニアで構成される経済連合で、イラン、ウズベキスタン、キューバがオブザーバー加盟国として活動しています。ちなみに、イランは2024年にオブザーバー加盟しました。
イラン・EAEU自由貿易協定は去る5月15日に発効し、これによりEU加盟5カ国市場へのイランの輸出が急増することとなりました。またこの協定により、貿易品の87%の関税が撤廃され、広範な輸出機会が創出されています。
イラン・EAEU間の貿易協力は、新たな輸出ルートの創出、通貨依存度の低減、そして地域経済統合の促進という点で戦略的に重要なものです。この協力により、イランはユーラシア地域の資源供給網における主要勢力となる可能性があります。
イランは地理的にアジアと西側世界を結ぶ中継点に位置し、アジア・ヨーロッパ間の物資輸送において重要な役割を果たすことができます。さらに関税撤廃により、イランの農産物、工業製品、そして知識集約型製品がユーラシア市場に参入する機会が拡大することになります。そしてサイバーセキュリティ、通信、医療、エネルギーといった分野も、イランとEAEU加盟国間の協力における課題となっています。
EAEU関係者は「対イラン協力の見通しは現行協定の枠を超え、共同投資、技術移転、産業協力も含まれる」とコメントしました。イランとEAEUの経済協力拡大により生じる戦略的変革には、イランの経済的地位の向上、非石油輸出の増加、外貨依存の削減、そして新たな地域体制における役割履行などが含まれます。
イランは今や、EAEU加盟国の間に締結した自由貿易協定により、ユーラシア地域の経済的将来の形成という役割を果たす立場に立っているのです。