韓国学会、「処理水の海洋放出で放射性物質濃度が10万分の1上昇」
2月 16, 2023 20:14 Asia/Tokyo
日本政府が早ければ今春からと見込む東京電力福島第1原子力発電所の処理済み汚染水の海洋放出を巡り、韓国海洋科学技術院と韓国原子力研究院が、「放出されれば韓国海域における放射性物質トリチウムの濃度は従来の約10万分の1高くなる」との研究結果を発表しました。
韓国ヨンハプ通信によりますと、両院の研究者は16日木曜、韓国・済州島で開催された韓国防災学会の学術大会でこれに関するシミュレーション結果を発表しました。
それによりますと、日本が10年間にわたり年間最大22テラベクレル(テラは1兆)のトリチウムが含まれた処理済み汚染水を放出すると仮定した場合、福島沖に放出されたトリチウムは10年後に北太平洋全体に拡散し、韓国海域に流れ込むトリチウムの濃度は10年後には1立方メートル当たり約0.001ベクレル前後になることが判明しています。
これは現在の韓国海域の平均トリチウム濃度である1立方メートル当たり172ベクレルの10万分の1の水準に当たります。
研究陣によりますと、現在の分析機器では検出できない程度の濃度だということです。
日本政府による福島原発処理水の海洋放出については、地元福島のほか、中国も難色を示しています。