北朝鮮・極東アジアの反米枢軸
(last modified Sat, 29 Jul 2023 11:50:25 GMT )
7月 29, 2023 20:50 Asia/Tokyo
  • 中国、アメリカと北朝鮮の国旗
    中国、アメリカと北朝鮮の国旗

中国とロシアはアメリカの反対をよそに北朝鮮との関係を拡大しており、これらの戦略的関係により東アジア地域における反米陣営の影響力が増大しています。

1953年の朝鮮戦争休戦から70周年を記念する式典は、北朝鮮とその友好国の戦略的関係を誇示する場となりました。首都ピョンヤンで行われたこの記念式典には、ロシアのショイグ国防相が招待されました。ロシアと北朝鮮が緊密な関係にある一方で、米国はこの両国を孤立させようと画策しており、こうした工作の一環としてロシアと北朝鮮に対する数多くの制裁が行使されています。

ロシアと北朝鮮は、2000年2月9日に友好、善隣、協力に関する条約に署名しました。この条約文書は、1961年のソビエト連邦と朝鮮民主主義人民共和国間の友好協力相互援助条約に代わるものです。これにより両国の関係は西側諸国、特に米国の反対にもかかわらず維持、強化されてきました。そして現在、この関係はパートナーシップのレベルに達しています。

ショイグ露国防相はこれに関して、「北朝鮮はロシアの重要なパートナーであり、今回の北朝鮮国防相との会談は防衛分野における両国間の協力拡大につながる」と語りました。

今回の記念式典には、中国共産党幹部の李鴻忠政治局員も代表団を率いて出席しました。中国の対北朝鮮支援は今や、東アジアの地政学的現実となっています。過去には、1953年の朝鮮戦争休戦の一因となり、その後、1961年に中国と北朝鮮は「友好協力相互援助条約」を締結し、以来20年ごとに更新してきました。

この密接な関係について、北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記は「我が国と中国の関係は血判状で結ばれており、時代の経過や世代交代によって変わることはなく、さらに強固なものとなるだろう」と語りました。

キム総書記はまた、朝鮮戦争において米空軍が北朝鮮に63万5000トンの爆弾を投下し、中国が北朝鮮とともに米国とその同盟国に対して戦ったことに触れました。また、この戦争では当時の中国の毛沢東国家主席の息子が死亡しています。

中国とロシアの代表団の訪朝の一方で、アメリカは常に中露と北朝鮮との関係に反対してきました。北朝鮮の敵対勢力としてのアメリカは、北朝鮮がミサイル・核実験を実施できる要因としてロシアと中国の存在を指摘しています。

アメリカのグリーンフィールド国連大使は最近、「北朝鮮は、安保理の2つの常任理事国である中国とロシアの完全な後ろ盾による恩恵を受けている」と表明しました。これは簡単に言えば、中露という2つの安保理常任理事国が北朝鮮のキム・ジョンウン体制を強化したということを意味しています。 

結論として言えることは、米国の強い反対をものともせず中露が北朝鮮との関係拡大、および地域・国際舞台での北朝鮮の安全保障を確立していることは、反米陣営形成の戦略的側面が益々浮き彫りになっていることを示しています。

また、NATOの東方拡大や東アジアでの情勢不安を煽るアメリカの軍事駐留への対抗、東アジアにおける北朝鮮、中国、ロシアなどの同盟国の共通目標の推進は、世界権力の絵図における本格的な変化および、新たな世界秩序の形成の重大な兆候と見なすこともできます。その証拠に、地域・国際的な同盟の形成はアメリカの思惑どおりには進んでおらず、アメリカのライバルまたは敵対勢力の躍進ぶりや抑止力は、もはや世界秩序に一つの時代を築くレベルにまで達しているのです。

 


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