台湾がTPP加入を正式申請、中国は「断固反対」
台湾は22日水曜、TPP・環太平洋パートナーシップ協定への加入を申請し、これを受けて台湾で通商交渉を担当するトウ振中政務委員らが23日午前、記者会見しました。
NHKによりますと、トウ政務委員は、台湾の貿易額のうちTPP参加国が占める割合は24%に上るとし、「加入を目指すのは台湾の利益のためであり、長期的な経済発展の戦略だ」と意義を強調しました。
TPPをめぐっては先週、中国も加入を申請したばかりで、これについてトウ政務委員は「台湾の申請は中国とは無関係だ」としつつ、「もし中国が先に加入すれば台湾にとって相当なリスクだ」との認識を示しました。
そのうえで「TPPが求めるのは開放の度合いであり、協定のルールを順守する気があるかどうかだ。われわれは完全な市場主義で、民主主義と法治を基礎とし、私有財産も尊重している。中国の状況がどうかは皆さんが知っていると思う」と述べ、中国をけん制しました。
また、この時期に申請を表明した理由として、「今年は日本がTPP議長国だ。台湾と日本は多くの分野で協力しあい、助け合う関係だ」と述べ、台湾の加入実現に向けた日本の後押しに期待感を示しました。
一方、共同通信によりますと、中国外務省の趙立堅副報道局長は23日の記者会見で、台湾のTPP加入申請について「あらゆる公的な協定や組織への加入に断固反対する」と表明しました。
中国が2001年12月にWTO・世界貿易機関に加盟した際は、台湾も「地域」の扱いでほぼ同時期に加盟しました。しかし趙氏は「世界に中国は一つで、台湾は中国の不可分の一部だ」と改めて強調。今回は同時加入も容認しない姿勢を示し、中国側の厳しい姿勢が明白になりました。
TPPへの加入には、協定を締約しているすべての国の同意が必要で、中国と台湾が互いをけん制しあった場合、日本を含む参加国が難しい対応を迫られる可能性もありそうです。
台湾の加入申請をうけた日本政府内からの反応としては、茂木外相が訪問先のニューヨークで、「歓迎したい。戦略的観点や国民の理解も踏まえて対応したい」と述べた上で、「TPPは市場アクセスやルール面で高いレベルの内容だ。完全に満たす用意ができているか、しっかり見極める必要がある」と語りました。
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