イラン外相が国連特使と会談 「パレスチナ情勢の政治的解決の猶予は限られている」
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は14日、訪問先のレバノン・ベイルートで国連のウェネスランド中東(西アジア)和平担当特使と会談し、パレスチナ情勢について「政治的解決に残された時間は今日だけだ。明日では遅い」と述べました。
両者の会談では、最新のパレスチナ情勢やガザへの支援のあり方などについて話し合われました。
イルナー通信によりますと、アミールアブドッラーヒヤーン外相はこの会談で、先日のグテーレス国連事務総長との電話会談に触れた上で、「パレスチナ抵抗勢力が実行した作戦は、シオニスト政権のネタニヤフ内閣が行ってきた過激政策の末路だ。アメリカはいま、全当事者にむけて自制を要求しているが、当の自分はシオニスト政権に寄り添っている」と述べました。
その上で、「もし国連が何らかの役割を果たしたいのなら、シオニスト政権の攻撃とくに市民や民間人に対する攻撃をすぐに止めさせるべきだ。なぜなら、時間は限られており、明日では遅いからだ。特にいまシオニスト政権は、ガザ市民の強制移住を画策している」と述べました。
また、「もう一つの重要な問題は人道支援だ。支援は速やかに送られるべきであり、赤十字国際委員会はこれにむけて行動すべきだ。赤十字と国連は、民間人負傷者の搬送のため人道回廊を設置すべきだ」としました。
さらに、「シオニスト政権が禁止された爆弾を使用しているという報道もある。国連はこれについて調査団を立ち上げる必要がある」としました。
これに対し、ウェネスランド特使は、ガザ地区の情勢に懸念を示し、停戦にむけてレバノンやエジプトの高官らと会談したことに触れ、戦況悪化と地域情勢の激化を憂慮しているとしました。
また、「民間人犠牲者の増加はきわめて憂慮すべきことだ。停戦や人道支援の提供にむけて努力していく必要がある」と述べました。