8月 08, 2016 19:45 Asia/Tokyo
  • イラン、ロシア、アゼルバイジャンの首脳会議

バクーでのイラン、ロシア、アゼルバイジャンの3カ国の首脳会議は、地域の多国間の関係における転換点に変わっています。

アミーンザーデ解説員

イラン、ロシア、アゼルバイジャンの首脳会議は、初めての会議と見なされています。この会議は、カスピ海沿岸、さらにはコーカサス地域における戦略的関係の拡大という観点から、戦略的重要性を有しています。この会議の議題は、大きく見ると、経済協力と南北幹線道路の拡張の検討に向けられています。

南北国際幹線道路に関する合意は、10年以上の歴史があります。2000年にロシアのサンクトペテルブルクでイラン、インド、ロシアの運輸大臣によって署名された合意に基づき、南北幹線道路はその存在を表明しました。この幹線道路は、北ヨーロッパやロシアから、イランとカスピ海沿岸諸国を通って、インド洋やペルシャ湾、東南アジアまでをつなげる道路です。ロシア、アゼルバイジャン、イランはこの南北幹線道路の完成を加速させようとしており、それによりアゼルバイジャンを通ってカスピ海西岸とイランをつなげようとしています。このプロジェクトにより、船での輸送時間を3分の1に、費用を20%まで下げることができます。イランとアゼルバイジャンは、これに関して50%ずつ投資を行うことで合意しました。南北幹線道路の完成にむけたこうした協力は効果的な役割を果たすでしょう。とくにガズヴィーン、ラシュト、アスタラ、そしてそれをアゼルバイジャンの鉄道網に連結する計画が完遂すれば、こうした鉄道の連結網は完全なものになります。

イランの治安が安定していること、大きな経済市場を有していること、またオマーン海やペルシャ湾の公海にアクセスしやすいことは、イランを地域の中継地点に変えるための下地を整えています。これ以前にも、イラン、トルクメニスタン、カザフスタンの間で、カスピ海東部の鉄道拡張に関する合意が、さらに、イラン、インド、アフガニスタンの間で、チャーバハール港の開発についての合意が成立しています。

現在、南北幹線道路の拡張に向けたイラン、ロシア、アゼルバイジャンの3カ国の協力は、地域の多国間の経済の拡大と統一の強化に向けてとられている新たな歩みです。このためイラン大統領のアゼルバイジャン訪問と3カ国の首脳会議の開催は、地域のトランジット計画の推進のほか、環境保護、テロや集団の脅威への対策といったこの他の問題における多国間の統一の強化に影響を及ぼす可能性がある、歴史的な機会です。特にイランのローハーニー大統領はこの訪問で、ロシアのプーチン大統領と二者会談を行い、両国の関心事や協力に関して協議する予定です。

ローハーニー大統領によれば、今期政権は、核協議のみならず、他国との関係においても、ウィンウィンの政策を追求しているということです。ローハーニー大統領は7日日曜、バクーで、「今期政権は、イランと敵対しようとしている国や勢力を除いて、すべての国と良好な関係を築きたいと考えており、こうした関係は地域諸国の安全、安定、発展につながる」と述べました。

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