イラン外相のトルコ訪問、地域情勢の新たな兆し
イランのザリーフ外務大臣が、12日金曜、トルコを訪問し、同国の政府高官と会談、両国の関係や地域情勢について話し合います。ザリーフ大臣は、トルコのチャブシオール外務大臣の招待により、アンカラを公式訪問します。
キャラミー解説員
トルコ外務省は声明の中で、「ザリーフ外相は、チャブシオール外相との会談に加えて、エルドアン大統領とも会談する」と発表しています。
ザリーフ大臣は、トルコの7月15日のクーデター未遂事件後、同国を初めて訪問するイランの政府高官となります。イランはトルコの隣国、戦略的同盟国として、この事件の発生後ただちにこのクーデターを避難しました。ザリーフ大臣はこのクーデターの中で、トルコの外相と数回にわたり電話会談を行いました。
イランのローハーニー大統領も、トルコのエルドアン大統領との電話会談で、クーデターを非難し、イランはトルコの合法的な政府と国民の傍らにあり、これからもそうだ、としました。
イランとトルコの宗教的、文化的共通性は、これまで以上にこの2カ国を近づけています。人々の深い結びつきは、両国の政治、経済関係を安定させ、さらに地域情勢における見解の相違ですらも、両国を分かつことはありませんでした。
イランは自国の治安維持のために努力しているのと同じだけ、トルコなど、近隣のイスラム諸国の治安に対しても責任を感じています。こうした責任感は、イラン外相のトルコ訪問と同時に、トルコとイランの友好関係をこれまで以上に思い起こすものとなっています。
イランとトルコは、友好関係を有し、地域の問題に対して共通の関心を持っていることから、地域の安定やシリア問題などの解決において重要な役割を担っています。共同のテロ対策のためには、イランとトルコが地域の安定のために互いに手を取り合って、テロリストと戦う必要があります。
トルコの外交政策における変化は、地域情勢の展望を肯定的なものにしています。エルドアン大統領の9日火曜のロシア訪問とその中でのプーチン大統領との会談は、地域情勢の行方を変えることでしょう。
これに加えて、10日水曜にも、トルコのユルドゥルム首相が、「トルコは今後、地域諸国との対立解消のために更なる協力を行い、シリア問題を優先にすえる」と述べたことも、肯定的な変化と見ることができます。
ザリーフ大臣のトルコ訪問もまた。こうした枠内で分析することができます。エルドアン大統領は、「トルコはイランとロシアの協力により、地域問題を解決し、平和を取り戻すために、更なる努力を行うことを決意している」と述べています。