本日のトピック、国際機関におけるメナーの惨事の法的追及
(last modified Thu, 25 Aug 2016 11:58:46 GMT )
8月 25, 2016 20:58 Asia/Tokyo
  • 本日のトピック、国際機関におけるメナーの惨事の法的追及

昨年9月のメッカ巡礼儀式の最中に巡礼者が将棋倒しになったメナーの惨事について、現在もイランは真剣にその法的追及を続けています。

キャラミー解説員

メナーの惨事は、メッカ巡礼儀式の歴史の中で前例のない悲劇とされています。サウジアラビア当局の管理不行き届きが直接この事件を引き起こしたことは間違いありません。昨年のメッカ巡礼中の、犠牲祭の日、巡礼者はメナーの荒野で儀式を行おうとしていましたが、サウジアラビアの警察の管理不行き届きにより、人々が将棋倒しになりました。イラン人464人を含む外国の巡礼者数千人が、この悲劇の中で亡くなりました。

イランはメナーの惨事を真剣に糾弾した唯一の国でした。さらにこの問題は、国際分野での法的追及に向け、イランの外交機関やメッカ巡礼儀式の実行責任者の優先事項となっています。こうした中、モンタゼリー検事総長が率い、関連機関の代表らが出席するメナー法的追及会議が24日水曜、テヘランで開催されました。この会議では、関係機関の代表が、国際分野で講じられた措置について報告を提示しました。

イラン検事総長は、この会議で、外務省の関係者に対し、この事件から1周年を迎えるまでに国際的な措置が講じられるようにすべきだとしました。イラン外務省のガシュガーヴィー領事・国会・在外イラン人問題担当次官も、この会議で、サウジアラビアを訴追するため、国際弁護士との複数の会議が開かれた、と述べました。同次官によれば、国連人権理事会や国連総会において政治的な観点からメナーの惨事は追求される可能性が存在する、ということです。

イランメッカ巡礼儀式機関のオウハディ代表も、メナー法的追及会議で、「外国人巡礼者、目撃者とのインタビュー、サウジアラビアのメッカ巡礼大臣や彼の代理人にとの協議を含む4冊の書籍が準備されている」としました。オウハディ代表によれば、集められた証拠において、サウジアラビアの警察にメナーの惨事の責任があることが示されている、ということです。オウハディ代表は、「各国のメッカ巡礼者の数を決定しているOICイスラム協力機構も、メナーの悲劇の法的追及を行うことができる」と強調しました。

メナーの惨事の後、西アジアの政情はサウジアラビアによる一方的なイランとの断交につながりました。このことは、今年のメッカ巡礼にも影響を及ぼし、サウジアラビアは妨害行為を継続し、今年のイラン人巡礼者のメッカ巡礼を妨げました。

イランは、メナーの惨事の再発防止に向けた措置と、事件の原因究明に向けたサウジアラビアの行動を求めていますが、サウジアラビアの無責任な態度の継続により、イラン人は今年メッカ巡礼を行うことができなくなりました。