今日の話題:預言者ムハンマドの芸術的表現(9)
9月 25, 2016 16:42 Asia/Tokyo
イランにおける絨毯史の中で、常に宗教的な内容を題材とした絨毯織りは、各地で行われていました。
イスラムの預言者ムハンマドの姿を絨毯の中に織り込むことは、ほとんど行われていません。その重要な理由のひとつは、預言者ムハンマドを足で踏みつけることになるからです。しかし、コーランの節や預言者ムハンマドの言葉の内容を含んだ絨毯は、よく見られます。
これとともに、聖地メディナにある預言者モスクや預言者ムハンマドの廟のデザインは、絨毯の中でよく見られます。この種の絨毯は、幾何学的、あるいは八角形の星型のデザインを持っており、これらの中には、装飾文字が記されています。この文字の内容には、創造主への賞賛などが記されています。この種の絨毯の上から下にかけて、イマームや宗教的な偉人の名前が見られます。
中央に預言者のモスクが描かれている絨毯では、緑のドームが青色の背景に輝いて描かれています。この特別な輝きは、見るものを魅力します。預言者のモスクの上空を飛ぶ天使の絵も、イランの絨毯にはよく見られ、こういった絨毯の美しさを増しています。絨毯の四隅は、美しい唐草模様が暗色の背景の中で絡まりあっています。
たいてい、預言者ムハンマドの名前は、大きく、そして金色で描かれています。預言者モスクの下には、コーランの節が大変美しく、そしてたいていの場合、黄色で記されています。これは太陽の光が預言者モスクにさすような形になっています。
イランの絨毯の中には、預言者ムハンマドの天界飛行を描いたものもあります。これらの絨毯は全て、壁にかけられるものであり、決して大きなものではありません。
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