一日一冊、本の紹介(53)
ここ数年、メディアの発展、グローバル化の拡大、生活スタイル、考え方や価値観の変化といった新しい現象が見られています。それを「ポストモダン現象」と呼ぶことができます。
この現象は、現在、その初期段階を過ぎましたが、それでもなお、多くの研究者が、今後20年でその特徴がより明らかになるとしています。
「イランの現代文化史」という本は、このテーマを扱ったネエマトッラー・ファーゼリー博士の作品です。ファーゼリー博士は、人類学を研究する大学教授で、この本の序文に次のように記しています。
「この本は、イランの現代社会で提起されている文化的、思想的な関心事や議論を集めたもので、私もこれらの対話に招かれている。この本は、現代のイランにおける文化や生活の特徴について、人々の視点から分析、説明したものである。それらの特徴は、我々の現代の歴史家や社会学者がこれまで興味を示さなかったものである」
文化史の重要な特徴のひとつは、伝統的に注目を浴びてこなかった社会の側面に注目することです。文化史の史料編纂は、ある意味、政治を独立した問題と見なさない、文化と政治を切り離して考えまいとする努力です。この本には次のようにあります。「明らかに、モスク、書籍、音楽、家族やその他の問題に関する多くの情報がこの本の中には存在するが、その多くが、史料編纂的か、決定的な見解に対する理解がなかったり、歴史的な分析、調査に欠けていたりする。しかし、文化史のタイトルは、イランの現代史の完全な展望を示すことができるように選ばれている」
「イランの現代文化史」という本は、13章から成っており、イランにおける史料編纂の歴史、イランの文化における通信のモデル、デジタル写真、大衆文学、音楽、現代的な都市の拡大、テヘランの家族の生活モデルといったテーマが取り上げられています。