1日1冊、本の紹介(54)
(last modified Sat, 11 Feb 2017 06:51:10 GMT )
2月 11, 2017 15:51 Asia/Tokyo
  • 1日1冊、本の紹介(54)

パレスチナ・ガザ地区の防衛手段を持たない無辜の民への攻撃という、シオニスト政権イスラエルの犯罪の激化は、もはや誰の目にも明らかな事実となっています。

このことは、芸術家たちからの多くの反応を呼び起こし、この残忍な政権に対する非難の感情を込めた数多くの作品が生まれるきっかけとなりました。イランでも、シオニスト政権への非難や、抑圧されたガザ地区の現状に関する数多くの詩が詠まれており、詩人たちは詩という伝達言語により、シオニスト政権の侵略行為の惨状とその結果を表現しています。

シオニスト政権によるこの攻撃の開始当初から、ガザ地区に関する詩を定期的に発表してきたあるウェブサイトの1つに、「ペルシャ語詩人たち」があります。このサイトの運営者や詩人たちの活動の結果、ガザ地区に関する詩作の電子書籍が発表されました。この電子書籍は、『詩のインティファーダ』というタイトルで、40人の詩人による60篇の詩が集められています。それではここで、女流詩人マルズィーエ・ファルマーニーが詠んだ詩の1つをお届けすることにいたしましょう。

 

壁には銃弾の跡が残っている

あなたの悲しみは、今なお心に残っている

爆弾め!夜明けまでお前の爆発におののき夜を明かした子どもがここにいる

おびただしい数の家屋が、土だけの丘と化している

至るところに、死者を弔う母親が残っている

ガザはもはや、血の海となり悪循環が繰り返されるのみ

これらの砂粒は、お前の握りこぶしの中で、武器として残っている

海の向こうの世界の平和の手はいずこにありや

世界はお前にどれほど借りを残していることか