核合意、分離できない完全な文書
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アメリカのティラーソン国務長官のロンドン訪問
アメリカの核合意に疑問を呈しようとする行動は、常軌を逸した形で、国際的な議論になりつつあります。
アメリカのティラーソン国務長官は、この議論にヨーロッパを引き込み、イランを窮地に追い込んでイランへの圧力を拡大しようとしています。こうした中、イランのシャムハーニー国家安全保障最高評議会書記は、「核合意は、分離の不可能な完全な文書であり、それに関する再協議の可能性は、いかなる条件においても存在しない」と語りました。

シャムハーニー書記は、アルアーラムチャンネルのインタビューで、核合意の取り決め実施におけるアメリカの妨害に触れ、「イランは自分たちの取り決めを完全に遵守してきたが、アメリカやヨーロッパの取り決めに沿って実現されるはずだった経済的な問題解決の一部は、いまだに実行されていない」と語りました。また、「核合意の見直しに関する議論は、アメリカ大統領の妄想からくるものだ」と述べました。

ティラーソン国務長官は、ヨーロッパ歴訪の中で、ロンドンに続き、パリを訪問し、次のように語りました。
「ヨーロッパ3カ国の間には、この問題に関して共通の見解が存在する。新たな副次的合意に至るか、あるいは我々の懸念を払拭するメカニズムに達するための努力により、核合意の欠陥の解消を目指す合同ワークショップが、まもなく会合を開催する」

こうした中、フランスのルドリアン外務大臣は、トランプ政権がヨーロッパ諸国に対し、核合意の修正のために圧力をかけていること、そのような行動は、ヨーロッパ以外の核合意の一員である中国とロシアに対しては見られないことを批判しました。ルドリアン外相は、「合意が署名されたとき、すべての関係国は、それを尊重すべきだ」と強調しました。

ロシアのスルツキ下院外交委員長は、次のように語りました。
「アメリカとヨーロッパ3カ国が、核合意の修正案を作成するために結成したワークショップは、イランの核合意を巡る問題の解決につながるのかどうか、確信がもてないようなグループだ」
署名から3年近くが経過する中で、核合意の修正が語られていることには疑問が残ります。アメリカは、核合意の関係国の中で唯一、核合意の取り決めを履行しておらず、核合意は悪い合意だと主張しています。なぜならトランプ大統領が、この合意をよい合意とは見なしていないからです。現在、核合意に関する議論が存在しますが、アメリカは、数多くの疑問や行動における曖昧な点について回答すべきでしょう。

シャムハーニー書記が強調したように、イランは核合意やミサイル防衛力について、いかなる国とも協議を行うつもりはありません。

イランは、核協議が始まったときから、核以外の問題をレッドラインとし、特にミサイル問題は防衛計画の一環であり、この問題に関する協議は、一切受け入れるつもりはないのです。