イラン大統領のヨーロッパ訪問開始
ザーエリー解説員 イランのローハーニー大統領が、25日月曜朝、イタリアの首都ローマに向けてテヘランを出発しました。包括的共同行動計画の実施後、ローハーニー大統領のイタリア・フランス訪問により、イランとヨーロッパの関係の新たな時代が始まります。 ローハーニー大統領はテヘランを出発する前に、「この訪問では、イランとイタリア・フランスとの協力の中長期的なロードマップが検討、合意されるだろう」と述べました。
イラン大統領のヨーロッパ訪問は、昨年11月14日に行われる予定でした。しかしながら、パリのテロ攻撃と同国での非常事態宣言により、この訪問は延期され、包括的共同行動計画が実施され、西側の対イラン制裁が解除された今、実施されることになりました。今回の訪問にはイランの政治・経済高等使節団も同行しています。
この2年、核問題の解決と制裁の解除を目指す最初の合意後、EU諸国など様々な国の数百人規模の代表団がイランを訪問し、イランとの貿易・経済関係と協力の新たな時代に向けた用意を表明しています。
イタリアは、制裁時代にも、イランとの貿易・経済関係の一部を維持してきた国のひとつです。このため、ローハーニー大統領は両国の協力と関係の深く肯定的な経歴に注目し、イタリアをヨーロッパ訪問の最初の国に選びました。イラン大統領はこの訪問で、経済会議に出席することで、500人を超える経営者、投資家、事業主などと会談することになっています。またバチカンではローマ法王と会談することになっています。
地域情勢や、地域諸国の問題解決におけるイランの影響力ある役割に注目すると、これに関する協議や意見交換が、イタリアとフランスでのローハーニー大統領の協議の最大の目的となっています。
イタリアのマッタレッラ大統領は、イランの役割を地域のみならず、国際的な協力において、非常に重要なものだとし、ローハーニー大統領のヨーロッパ訪問がイタリアから開始されたことは、両国、両国民の緊密な友好なしるしだとしています。マッタレッラ大統領は、ローハーニー大統領のイタリア訪問を前にしたインタビューで、包括的共同行動計画を地域や世界の平和や安定に向けた大きな成功だとし、制裁後の様々な協力の分野について触れ、「イランとイタリアの経済関係は、現状に注目すると、発展する可能性がある」と述べました。
この2年、世界各国との肯定的な協力を追い求めてきたイラン大統領も、ヨーロッパ訪問を前に、EU諸国との関係拡大はイランの政策に含まれているとし、「国の発展と成長、雇用創出に向け、包括的共同行動計画実施後の雰囲気を利用すべきであり、イタリア・フランス訪問はこうした目的で行われる」と強調しました。
今回の4日間の訪問では、2つの重要な文書が検討され、イランとイタリア・フランスとの協力の中長期的なロードマップが合意に至ると見られています。ローハーニー大統領によれば、保険、新技術、産業、大学、農業、観光、医療機器、環境に関する協力についての合意、そして運輸、航空機、鉄道、自動車など経済の各部門の文書の調印が、今回の訪問で予定されている事柄だということです。