核合意におけるイランの積極的な態度
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イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師の指示を受けた核活動の拡大に関するイランの新たな決定は、イランが核合意を巡る出来事に対して決して消極的ではなく、行動のイニシアチブを有していることを示しました。
イラン原子力庁のサーレヒー長官は、5日火曜、記者会見で、核活動の拡大に向けた準備に触れ、「ナタンズ電力施設は、数十万SWUのウラン濃縮処理能力の準備ができている」と語りました。こうした中、IAEA国際原子力機関は、声明の中で、「イランが申告した核活動の拡大に関する計画は、核合意に違反するものではない」としました。
イランの新たな核計画は、ハーメネイー師が4日月曜、イスラム共和国の創始者ホメイニー師の命日の追悼式典で、核合意に対するヨーロッパのダブルスタンダードを説明した際に次のように発言したことから、メディアで取り上げられました。
「イラン原子力庁に、核合意の枠内で19万SWUのウラン濃縮能力を実現するために必要な準備を整えるよう義務付ける」
核に関するイランの積極的な活動は、アメリカの核合意離脱によって消極的になってはおらず、核活動に対する制限や圧力、制裁に屈しないことを示しました。これ以前にも、ハーメネイー師は、ヨーロッパの核合意の継続に関して、いくつかの重要な条件を提示しました。それは、核合意の枠内で核活動の拡大を開始することと共に、イランを弱めようとするアメリカの目算を崩しています。
核合意の遵守というイランの誠意は、どのような状況にあっても、欠陥のある核合意に屈するという意味ではなく、核合意と制裁を同時に受け入れることはありません。政治専門家のファザーイェリー氏は、核合意を巡る最近の出来事について次のように語りました。
「アメリカは、核合意からの離脱により、絶対的に積極的な行動を取ろうとしていたが、核合意に関する最近のハーメネイー師の発言と、核合意の枠内での核活動の継続に関する指示は、イランが消極的になってはいないことを示した」
アメリカを抜きにした核合意の存続は、アメリカとシオニスト政権イスラエルの圧力に対し、EUが独立した政策と現実的な見方を持てるか否かにかかっています。単に核合意への支持を表明するだけでは、現在の状況を助けることにはなりません。不平等な合意を、イランが認めることはありません。
アメリカの制裁を口実に、ヨーロッパ企業が次々にイランから撤退していることは、ヨーロッパの核合意維持の主張とは相容れないものです。ハーメネイー師は、核に関する制限や制裁と同時に、核合意を継続しようとする一部のヨーロッパ諸国による言動を理解した上で、当面は核合意の枠内で、イランの核活動を拡大するよう指示しました。
このような立場は、核合意と制裁や核の制限を同時進行しようとするのは、決して実現することのない夢であり、ヨーロッパがそのような道を歩み続ければ、イランは恐らく、核合意から離脱し、平和的な核活動の発展を追求するという、ヨーロッパへの警告です。
核合意は、イランに圧力や制限を加えるためのものではありません。現在、ハーメネイー師の啓蒙により、ボールはヨーロッパ側に投げられています。ヨーロッパは、核合意に関して、現実的なアプローチにより、決断を下す必要があります。イランのサアーダトEU大使は、ユーロニュースの中で、次のように語っています。
「核合意は、6カ国のうちのいずれかの国が存在しなくても継続することができるが、イランがいなくては核合意は存在しなくなる。イランは、ヨーロッパの決意表明以上に、保障や経済的な利益の提示を必要としている」