ドキュメンタリー・イラン(19);中部ヤズド州チャクチャク村(日本語のナレーション付)
今回は、中部ヤズド州にあるチャクチャク村と、ピーレサブズ巡礼所を映像とともにご紹介してまいりましょう。
チャクチャク村は、ヤズド州アルダカーン行政区内にある村落で、同州内にある村落の中でも最も気温が上がる村の1つとされ、真夏の日中気温は40℃にもなります。
この村には、ゾロアスター教の巡礼所である拝火教寺院が存在しており、ここはゾロアスター教徒たちの間ではピーレザブズとして知られています。ここには毎年、イラン国内はもとより、インドなどをはじめとするそのほかの国からもゾロアスター教徒らがやって来ます。連綿と連なる岩山の下には、巡礼者用の滞在・行楽用となる天井つきの休憩所が設けられています。
チャクチャクは、大きな洞穴のような形態をしており、人間の手により造られ、青銅製の大きな2つの扉があります。
チャクチャクの大きな特徴の1つとして、山の中腹から常に湧き出てくる泉を挙げることができます。実際に、拝火教寺院は常に水の流れている場所に設けられています。
チャクチャクとは、ペルシャ語で水が滴り落ちる雫を意味し、この村の名称は、洞穴岩盤から滴り落ちる水滴の音からきていると言われています。
地面は大理石で覆われ、またここでは常に火が点されていることから壁は黒くすすけています。
ゾロアスター教徒の間では、チャクチャクの地がサーサーン朝の最後の王ヤズデゲルド3世の次女ニークバーヌーの隠れ場所であり、またニークバーヌーがゾロアスター教の拝火寺院において姿をくらましたと考えられています。
聖なる炎を常に燃えている状態に維持する責任者は、ヒールボドと呼ばれます。また、泉の脇には樹齢の高いスズカケノキがありますが、これはニークバーヌーの杖だったと言われています。
礼拝場所の中央には、花の形をした金属性の盆の上に聖なる火が点されており、ここはゾロアスター教徒の礼拝場所です。彼らの間では、火は生命と清らかさのシンボルとみなされています。
ゾロアスター教徒は、拝火教寺院の内部に足を踏み入れる際には、独自の礼儀やしきたりに従い、靴を脱いで中に入ります。またこの際、男性は白い帽子をかぶり、女性は白いスカーフに明るい色の衣服を着用することになっています。
世界に散らばるゾロアスター教徒は、毎年6月14日から18日の間にこの村を訪れ、この宗教の最高神であるアフラ・マズダを崇拝し、聖典アヴェスターを読み、またそのほかのこの宗教の慣行儀礼を実施します。
ラジオ日本語のユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。
https://twitter.com/parstodayj