イランとロシアの戦略的な経済協力
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ラーリージャーニー国会議長とロシア下院外交委員会のスルツキー委員長
イランのラーリージャーニー国会議長が、イランとロシアの関係は良好だとし、「両国の経済協力の拡大に向け、好ましい構想が存在する」と語りました。
ラーリージャーニー議長は、1日水曜夕方、テヘランで、ロシア下院外交委員会のスルツキー委員長と会談し、イランとロシアは、地政学的な状況から、さらに関係を近づける必要があると強調し、「イランとロシアは、石油、天然ガス、鉄道などのさまざまな分野で、共同プロジェクトの推進を加速すべきだ」と述べました。
イランとロシアは、イラン核合意の後、戦略的な協力を幅広く行っており、これは互いに対する信頼を示しています。現在、アメリカの一方的な政策やトランプ政権のロシアに対する冷戦時代のアプローチに注目すると、イランとロシアは、これまで以上に、あらゆる分野、特に経済分野の協力を拡大することができるでしょう。
アメリカのイランとロシアに対する制裁は、両国の経済協力とドルの排除によって退けられます。こうした中、イランとロシアの関係者の間では、協議を継続していくことが確認されています。スルツキー委員長のイラン訪問の前には、イランのヴェラーヤティ最高指導者国際担当顧問がロシアを訪問し、プーチン大統領と、両国の戦略的な協力、特に経済分野の協力について話し合いました。ヴェラーヤティ顧問は、プーチン大統領との会談の後、次のように語りました。
「イランとロシアの石油関係は、500億ドルまで向上させることができる。ロシアは、これを上限に、イランの石油・天然ガス分野に投資を行う用意があり、それはイランを去った西側の企業の代わりとして十分だ」
この目標を実現するには、大規模な銀行関係を有する必要があります。イランとロシアの経済・貿易関係の拡大には、両国の銀行関係を拡大することが不可欠です。銀行関係の円滑化により、両国の経済関係が活発化するでしょう。そして、両国の国の通貨を利用した取り引きは、目標の達成を助けることになります。
銀行問題に関しては、最近、イランとロシアの中央銀行の関係者が出席する中、テヘランで、両国の銀行関係者による会合が開催されました。この会合の終わりには、銀行協力の合意が調印されました。
この合意は、イランとロシアが、銀行協力により、経済関係の拡大を追求していることを示しています。現在、銀行間の完全な取り引きが存在しないため、両国の貿易レベルは満足のいくものではなく、目標には程遠い状態です。昨年のイランからロシアへの輸出額は2億8600万ドル、輸入額は7億400万ドルでした。
イラン中央銀行のヤアグービーミヤーブ国際担当責任者は、次のように語っています。
「障害をなくし、イランとロシアの銀行関係に必要な下地を整えることで、両国の貿易関係が円滑化し、拡大することにつながるだろう」
イラン駐在のロシア大使も、先週、イランとの経済関係は重要だとし、「イランとロシアの経済協力には障害が存在し、それがこの関係を遅らせている。これらの障害をなくすことで、経済関係のレベル向上が加速するだろう」と語りました。