イメージが語るイラン
聖タデウス修道院の巡礼儀式がユネスコ世界文化遺産に
イランとアルメニアが共同で推薦していた、イラン北西部にあるアルメニア正教会の聖タデウス修道院で行われる巡礼儀式が、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
メフル通信によりますと、オンラインで開催された第15回ユネスコ無形文化遺産保護政府間委員会において、聖タデウス修道院で行われる巡礼儀式がイランとアルメニアの共同遺産として、全会一致で承認され、イランの16件目の無形文化遺産として登録されました。
イラン文化遺産・伝統工芸・観光省のターレビヤーン次官は、「聖タデウス修道院には、イラン、アルメニア、シリア、レバノン、オランダ、フランス、オーストリア、ドイツ、カナダをはじめとした国々から、毎年アルメニア人や正教徒の巡礼者がこの儀式のために集まっている。これは、イランにおける様々な民族・宗教の平和的共生、そして歴史を通じた平和を求めるイランの人々の視点を語るものである」と指摘しました。
そして、「イスラム以外の一神教の信者が参加する宗教儀式が、イスラム教の国において、政府組織や機関の全面的協力の下に完全に安全な状況下で開催されていること、また国内でそれらの宗教の歴史的建築物や遺跡の修復・保全の努力がなされていることは、イランが他の宗教に対して敬意を払っている明らかな証拠である」と続けました。
聖タデウス修道院の儀式は、毎年7月14~16日の3日間、イランやアルメニア、その他の国々からアルメニア人や正教徒の巡礼者が参加して実施されます。
聖タデウス修道院の建物は、同じくイラン北西部にある聖ステファノス修道院、生神女マリア聖堂(ゾルゾル・ダラシャーム教会)とともに、イランのアルメニア修道院建造物群として2008年にユネスコの世界文化遺産として登録されています。
ジャマイカを議長国とした第15回ユネスコ無形文化遺産保護政府間委員会は、新型コロナウイルスのためオンライン形式により今月14日から19日までの日程で開催されています。