人工衛星「ヌール2」の発射、イラン宇宙産業の新たな成功
(last modified Wed, 09 Mar 2022 12:18:23 GMT )
3月 09, 2022 21:18 Asia/Tokyo

イラン・イスラム革命防衛隊は8日火曜、イランとして2番目の軍事用衛星が、同防衛隊航空宇宙部隊の打ち上げ用ロケット「ガーセド」で宇宙空間に打ち上げられ、高度500キロの地球周回軌道に乗ったことを明らかにしました。

ヌール2はイランとして2番目の軍事衛星であり、発射から480秒後に高度500キロの地球低軌道に乗りました。この衛星の任務は測量・識別で、秒速7.6キロで飛行します。

革命防衛隊航空宇宙部隊は2020年にもヌール1を3段式・混合燃料ロケットにより打ち上げており、高度425キロの軌道に乗りました。ヌール1の寿命は1年程度とされていましたが、今も現役で動いており、情報を地上のセンターへ送信しています。

 

革命防衛隊のサラーミー総司令官は、「イランは人工衛星を宇宙に打ち上げた最初のイスラム国家である」とした上で、「我々は今日、この複雑なテクノロジーと最新の知見を手に入れ、それを成果に変えることができた」と述べました。

 

宇宙産業はその国の力を形作る要素のひとつとされます。イランは近年、ミサイルや宇宙技術の分野でたゆまず進歩を続けてきました。国産人工衛星とその打ち上げロケットの発射は、この数年でのイランのテクノロジー分野における大きな進歩の象徴です。現在、イランは世界の宇宙大国10カ国に入ります。

 

イランの宇宙計画と他の西アジア諸国の違いは、イランはあくまでも国内の能力に依拠し、国内・国産技術を使用していることです。

現在、人工衛星打ち上げ基地の建設能力を有するのは世界で6カ国のみであり、イランはその次の地位にあります。

また、イランはこの2年で衛星打ち上げロケットにも注力し、大きな進歩を遂げました。打ち上げロケットについても人工衛星の製造と同時並行で発展させてきたのです。今や、イランの専門家たちは、発射基地、打ち上げロケット、人工衛星の受信・コントロール基地、データ基地からなる宇宙技術のサイクルを完全に手に入れています。

 

イランはこの他にも4基の人工衛星の最終試験・発射準備を完了しています。「ザファル2」は最終準備段階にあり、「ナーヒード1」「ナーヒード2」も発射準備完了、さらに「パールス1」もイラン宇宙センターに引き渡されています。

 

こうした中、イランの敵は、制裁などでイランの経済や宇宙産業をはじめとする科学分野での進歩を阻害しようとしています。しかし、あらゆる制約や圧力にもかかわらず、イランは各種の宇宙技術や関連技術を手に入れたのです。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram    Twitter    urmediem